
対面接客でよくある課題と、勝ちパターンの見つけ方
対面接客の現場では、研修やマニュアルだけでは把握できない課題、アンケートでは分からないお客さま満足度の理由、さらには購買意欲の変化など、さまざまな問題が存在しています。
弊社JTBの店舗も例外ではありません。自動車ディーラーや不動産業界など、対面接客を行う業界では、オンライン会議のようにやり取りを録画できないため、その場限りで消えていく会話を後から振り返ることにはどうしても限界があります。
この記事では、対面接客でよく直面する課題や、Baobleを活用した解決方法、運用のステップ、利用シーンや導入スケジュールについてご紹介します。
目次[非表示]
対面接客でよくある課題
対面接客の現場では、販売員の教育やお客さま対応の質を高めるためにさまざまな取り組みを行っていても、思うような成果が見えないことがあります。その背景には、現場で何がうまくいっていて、どこに課題があるのかを正確に把握するのが難しいという事情が考えられます。
ここでは、対面接客でよく直面する具体的な課題をご紹介します。
教育に力を入れても現場で実践できているか把握できていない
研修やマニュアルで販売員の教育に力を入れても、実際の接客現場で本当に実践できているかを把握するのは容易ではありません。
例えば、高圧的や一方的にご案内しすぎないように気をつける、販売員とお客さまは「●対●」の比率で発言するとよい、など研修で学んだ際に頭では理解できていたとしても、それを実践できているかどうかは現場でしか確認できません。
また、ロールプレイでうまくできていてもそこにはどうしても演技が含まれてしまうので、実際の接客になると「いつもの自分の癖」が無意識に出てしまい、つい自己流で対応してしまうこともあります。そのため、教育の効果が見えにくく、改善ポイントを把握する仕組みが求められています。
アンケートだけでは満足度につながった理由が深掘りできない
接客の成果を測るためにアンケートを実施しても、お客さま満足度の理由まではなかなか見えてきません。
例えば「対応がよかった」と回答があっても、具体的にどの言葉や動作が印象に残ったのかは分からず、販売員のどの行動が評価されているのか把握できません。
また、回答はどうしても表面的な印象に留まるため、意識に上がったことについてはアンケートに書かれるものの、意識にすら上がらなかったことは不明瞭で改善点に気づけず、「自分はできている」と思い込んで継続してしまうことがあります。そのため、アンケート結果をより実践的に活かせる仕組みや方法が求められています。
購買意欲の低下や興味の薄れに販売員が気づけていない
接客中、お客さまの購買意欲の低下や、興味が薄れているサインに販売員が気づけないことはよくあります。販売員が「言いたいこと」ばかりを話し、お客さまの「話したいこと」が置き去りになる場面が少なくありません。営業目標や製品の魅力に意識が向きすぎると、つい自社のメリットばかりを羅列してしまいがちです。
お客さまは、自身の漠然としたニーズや疑問、あるいは潜在的な不安を解消したいと願っています。しかし、販売員の一方的なトークが続くと、お客さまは「聞いてもらえない」と感じ、次第に話す機会を失っていきます。
この一方的なコミュニケーションは、お客さまの購買意欲を静かに削ぎ落とし、製品への興味を薄れさせてしまいます。販売員自身がこの微妙な変化やお客さまの心の声に気づけないままでは、貴重な商機を逃し続けてしまうでしょう。
上記の理由から、接客現場ではお客さまの反応や購買意欲の変化に気づきやすくする工夫・支援が求められています。
上司が全商談に同席してスキルチェックシートで評価・教育している
上司がすべての商談に同席してスキルチェックシートで評価・教育を行う方法もありますが、現場では負担が大きくなりがちです。全商談に同席するには時間や人手が必要で、忙しい日には全員の対応を確認しきれません。
また、販売員も上司が同席している緊張感から自然な接客がしづらく、本来の課題や改善点が見えにくくなることもあります。そのため、接客の現場では効率的かつ実態に即したスキル評価の仕組みが求められています。
接客中に非言語まで気にする余裕がない
接客中、話すことに集中しすぎてしまって笑顔や姿勢、目線といった非言語の要素まで意識する余裕がないことはよくあります。特に忙しい時間帯には、商品の説明や在庫確認、会計対応などに気を取られ、自然な表情や身振りにまで気を配ることが難しくなります。
その結果、接客がぎこちなくなったり、お客さまに与える印象が想定とずれたりすることもあります。
特に対面接客は販売員の印象勝負です。非言語まで含めた質の高い接客を維持するには、現場の負担を減らす工夫やサポートが不可欠です。
Baoble(バオブル)で課題を解決
Baobleは、対面での接客やコミュニケーションを可視化するツールです。音声解析や定量データによって、販売員の接客スキルや非言語の動きまで客観的に把握でき、研修やアンケートだけでは見えなかった課題も明らかにします。これにより、現場での学びを実際の接客に活かすことが可能になります。
Baobleを活用すれば、例えば以下のような課題を解決できます。
- 各社のハイパフォーマーの実態に基づき、合格基準という目指すべき明確が指標ができる
- 「研修をやって終わり」にせず、学びが実際の現場でも活かされているのか効果測定や定点観測が可能
- 意識していたことだけでなく、無意識レベルでの課題も把握できる
- 接客中にBaobleを見ながら臨機応変に軌道修正ができる
- 売れている販売員と伸び悩んでいる販売員の差が定量的に分かり、点数が低い販売員を抽出して重点的に教育できる
こうした可視化によって、接客の「感覚的な良し悪し」を脱し、誰もが成果を出しやすい接客体験の実現につなげることができます。
Baoble(バオブル)の使い方
Baobleの使い方はシンプルで、次のステップで運用を進めます。
STEP1:まずはハイパフォーマーの商談や接客を録音し、優れた対応のデータを収集します。 STEP2:蓄積された音声データを分析し、一方的と双方向で話した比率、コミュニケーションのタイプなど共通点を把握します。 STEP3:その分析結果を基に、平均値や特徴的な傾向から合格基準を策定します。 STEP4:合格基準が定まったら、対象を販売員全員に広げてデータを取得し、スキルの見える化を行います。 STEP5:取得データを基に、合格基準と自身の結果を比較し、下回る項目には改善策を提示。Baoble専用のeラーニングへ誘導し、スキル強化を図ります。 |


合格基準はコースやモードごとに作成できるため、職種やシーンに応じた柔軟な運用が可能です。また、ハイパフォーマーのデータに基づいて設計した合格基準と、ほかの販売員レポートを2画面で比較し、ウィークポイントを直感的に確認できます。
Baoble(バオブル)の利用シーン・導入スケジュール
Baobleの利用シーンと導入スケジュールは以下のとおりです。
利用シーン
Baobleは、店舗や顧客層ごとに接客データを整理・分析したい場面で活用できます。
「コース」と呼ばれるフォルダと「タグ」と呼ばれる印によって、自由に商談を分類分けすることができます。
例えば、「A店」「B店」といった店舗ごとにコースを分ける、さらに「新規顧客」と「リピーター」でタグを付ける、といったように条件に合わせてデータを蓄積することで、ケースに合わせた分析を行なうことができます。
導入スケジュール
いきなり販売員全員で利用するのではなく、各支店や店舗にいるハイパフォーマーを選抜し、数か月間(2~4か月程度)接客を録音します。そして蓄積したデータからハイパフォーマーの傾向や平均値を月次レポートで把握し、「合格基準」となる指標を策定します。
合格基準の策定はBaobleの月次レポートで集計結果を見るだけなので、数日間で完了することができます。その後、販売員全員に利用範囲を広げ、合格基準を目指して各自「実践的ロールプレイ」を行なっていくことで、現場全体でスキルを測定し、改善につなげることができます。
まとめ
この記事では、接客現場における課題やBaobleを活用した解決方法、使い方、利用シーン・導入スケジュールについて以下の内容を解説しました。
- 接客の現場では、教育の実践度やお客さま満足度の理由、購買意欲の変化、非言語表現などを把握するのが難しいという課題がある
- Baobleを活用することで、接客スキルや非言語の動き、無意識下の課題まで可視化できるため、研修効果を“やって終わり”にせず、現場での行動変容や成果向上につなげることが可能になる
- Baobleの運用はハイパフォーマーの録音・分析、合格基準策定、全営業展開、改善策提示というステップで進められる
- Baobleは店舗や顧客層ごとに接客データを整理・分析したい場面で活用できる
Baobleを活用することで、接客課題の可視化と改善が可能になり、感覚的な評価に頼らない教育・育成を実現できます。これにより、販売員全員が成果を出しやすい接客体験の提供につなげられます。
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