法人カードにも種類がある!それぞれのメリット・デメリットとは?
法人としてクレジットカードを利用している企業は多く、便利に決済する手段としてさまざまな種類の法人カードが利用されています。法人カードといえば、コーポレートカードですが、それ以外にもプリペイドカードなどが存在するのをご存知でしょうか。
今回は、法人カードのうち、4種類を取り上げ、それぞれの特徴やメリットとデメリット、適した利用方法をご紹介します。
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法人カードの主な種類
法人カードとは、法人や個人事業主に対して発行されるクレジットカードです。
個人向けカードと異なるのは、引き落とし口座は原則、法人口座となる点や、審査の対象が法人や法人の代表者などになる点、限度額が個人カードよりも高く設定できる場合が多い点などが挙げられます。法人が事業において必要経費などを決済する際に利用しやすいサービスとなっています。
法人カードには、現在、複数種類があります。主な種類として4つをご紹介します。
法人カードの主な種類
▶ コーポレートカード
コーポレートカードは、法人カードとして最も多く普及している種類です。個人向けのクレジットカードが法人向けに提供されていると考えて良いでしょう。与信審査が設けられており、審査に通れば、与信枠が設けられ、限度額の範囲内で決済が可能になります。決済方法として主に法人決済型と個人決済型がありますが、法人決済型の場合は後日、登録した法人口座から引き落とされる仕組みです。
一括払いのみならず分割払い、リボ払いなどに対応していることもあります。利用限度額は一般的に50万から100万円程度となります。
▶ プリペイドカード
プリペイドカードは、事前にカードにチャージした金額だけ利用できるカードです。専用の口座等から各カードにチャージする方法が一般的です。プリペイドカードは法人向けにも発行が可能です。基本的に与信審査はありません。
▶ パーチェシングカード
パーチェシングカードは、企業間取引の支払いに特化した法人カードです。「パーチェシング(Purchasing)」には「購入する」という意味があり、企業が商品・サービスを購入したり、固定費を支払ったりするのに利用されることを想定したカードです。与信審査があります。また物理的なカードは発行されません。
▶ バーチャルカード
バーチャルカードとは、物理カードがないバーチャル(仮想)の決済用カード全般を指します。法人向けバーチャルカードは、クレジットカードと同じようにVisaやMastercardといった国際ブランドの16桁の番号が発行されます。その番号を利用すれば、オンライン決済や取引においてで利用できます。一般的に後払い式であり与信審査があります。
法人カード4種のメリット・デメリット
法人カード4種のメリット・デメリットをそれぞれご紹介します。それらの特徴を踏まえた上で、企業にとってどのような利用方法が適しているのかも見ていきましょう。
コーポレートカードのメリット・デメリット
【メリット】
・個人立替払いでの経費利用時に現金支払が不要
・会社口座だけでなく個人口座からの引き落としも可能
・限度額まで利用することができる
【デメリット】
・後日まとめて引き落としされるため、口座に金額を準備しておく必要がある
・与信審査があり、カード発行に時間がかかる
・不正利用防止のための購買制限などかけることができない
一般的なクレジットカードの機能となるため、不正防止面で懸念があります。そこで一定の役職以上の社員に持たせて、立替払い用に利用するのに適しているでしょう。
プリペイドカードのメリット・デメリット
【メリット】
・与信審査がない
・カード発行期間が早い
・従業員のみならず業務委託スタッフや内定者などにも持たせることができる
・事前入金額の範囲内の利用となるため不正利用防止になる
【デメリット】
・各カード毎の入金や管理に手間がかかる。
・利用者にとっては購買制限があることがデメリットになることもある
不正利用を防止できる点から、一般社員や社外スタッフなどの立替払い用に適しています。
パーチェシングカードのメリット・デメリット
【メリット】
・物理カードがないため紛失リスクがない
・請求書払いから切り替えれば支払いが一本化され、経費精算業務の効率化につながる
【デメリット】
・与信審査があり、カード発行に時間がかかる
・一般的に支払い方法は1回払いのみ
・与信枠が大きくなりがちで、不正利用が発生したときのダメージが大きい
・カードレスなので実店舗での支払いには利用できない
各部署毎にカードを発行してサービスなどの購買に利用させるなど、一定の利用者に限定した自由度のある一括購買用に適しています。
バーチャルカードのメリット・デメリット
【メリット】
・個人利用と一括購買の両方が可能
・企業側でカードを自由に発行できる
・物理カードがないため紛失リスクがない
・利用制限を付けられるため不正防止が可能
・モバイル決済と連携させて実店舗でも利用できることもある
【デメリット】
・カードの有効期間が2年程度など比較的短い
・カードレスなので実店舗での支払いには利用できない
バーチャルカードは、法人カードの中でも特殊でありますが、その利便性やセキュリティ面の高さから、今後、活用が進んでいく可能性があります。利用制限を付けたセキュリティ重視の一括購買用に適しています。
法人カードの経費精算システムへのデータ連携によるメリットとは?
法人カードは、経費精算システムへデータ連携することで、次のようなメリットが得られます。カードの種類の選定と共に、データ連携も検討しましょう。
経費精算時の手入力の手間を削減
従来、社員に立替払いをさせる際には、現金を利用するのが一般的でしたが、近年は法人カード払いによる立替も浸透しています。現金の場合、小口現金の管理や、個人口座への振り込みなど、社員と経理担当者共に作業が煩雑化します。
法人カードの利用データを経費精算システムと連携することで、自動的に利用金額が反映されるため、経理担当者は利用日時や購入店舗名、金額などの入力が不要になります。手入力の手間が削減できることで業務効率化につながるでしょう。
現金での立替払いなどを廃止できる
これまで、立替払いを現金で実施していたケースでは、立替払いそのものをなくすこともできます。なぜなら会社決済型の法人カードを利用すれば自動的に法人口座に請求がいくためです。煩雑な立替払いそのものが不要になれば、社員と経理担当者双方の負荷が減ります。
経費の不正申請・入力ミスの削減
カード利用情報を連携させることで、利用明細がシステムに自動で取り込まれるため、購買情報の改ざんはできません。このことから不正申請の防止につながります。また連携によってそのままデータを利用できるため、手入力が不要になり、入力ミスのリスクがなくなります。
法人カードでの支払いの一本化による経費の可視化につながる
企業内の購買活動全般を法人カードに一本化して経費精算システムに取り込むことにより、経費の可視化につながります。何がどのくらい利用されているのかを把握しやすくなれば、内部統制の強化につながるでしょう。
まとめ
法人カードの種類ごとのメリットとデメリット、適した用途などをご紹介しました。経費精算システムとの連携も含めた、最適な法人カード選びを進めてください。
JTBのグループ会社であるJTBビジネストラベルソリューションズが提供する経費データ連携プラットフォーム「J'sNAVI Jr.」では、カ―ドデータ連携サービスをご提供しており、法人カードデータの連携も可能です。
コーポレート、パーチェシング、プリペイド、バーチャルの4種類、および10社以上のカード会社のデータを連携し、経費精算を効率化することが可能です。
コーポレートカードだけでなく、プリペイド、バーチャルカードなど、様々な決済サービスに対応しています。
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