e-文書法と電子帳簿保存法の違いとは?
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文書の電子化に関連する法律は、経理業務を効率的に実施していく際に欠かせない知識といえます。文書を取り扱う際に意識する必要があるのが、どちらの法律に基づいて保存をすべきか、という点です。
それには「e-文書法」と「電子帳簿保存法」のそれぞれの内容を整理し、違いを明確にしておくことが重要です。そこで今回は、「e-文書法」と「電子帳簿保存法」の違いについてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.e-文書法とは
- 2.電子帳簿保存法とは
- 3.e-文書法と電子帳簿保存法の違い
- 3.1.対象となる文書が異なる
- 3.2.承認が必要が否か
- 3.3.要件の違い
- 4.まとめ
電子帳簿保存法の対応状況や、対応後の経理業務にかかる時間の変化など、アンケート調査結果をご紹介します。
e-文書法とは
e-文書法とは、2005年に誕生した、電子保存が容認されることを定めた2つの法律の通称です。具体的には「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の2つを指します。e-文書法は別名、電子文書法とも呼ばれています。
前者は、民間事業者等が、これまで紙での保存が義務付けられていた文書について、電磁的記録による保存等を行うための共通事項を定めたものです。これにより、約250の法律による保存義務について、法改正せずに電子保存が容認されました。
後者は、行政庁の承認といった手続きの規定等について、約70本の個別法の一部改正により、規定を整備したものです。
e-文書法では、電子化の基本的な4要件があり、その「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」という要件を満たすために、例えば電子データにタイムスタンプを付与するなどのルールが定められています。
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電子帳簿保存法とは
電子帳簿保存法とは、1998年に誕生した「国税関係帳簿書類の全部または一部を電子データにて保存すること」を認めた法律です。
つまり、国税に関する法律である所得税法、法人税法などを対象に、電子データ化の対応方法を具体的に規定した法律です。
とはいえ、制定当時はあくまで対象はシステム上で電子データとして作成されたデータの保存となっており、紙のデータをスキャンして保存することは含んでいませんでした。
2005年にe-文書法が制定されたのを受けて改正され、決算関係書類を除く国税関係書類について、新たにスキャナよる電子化保存が認められ、新たに規定が追加されました。
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e-文書法と電子帳簿保存法の違い
続いて、e-文書法と電子帳簿保存法の違いを確認しておきましょう。
対象となる文書が異なる
まず、大前提として知っておくべきなのが、e-文書法は法律を横断するルールであり、電子帳簿保存法は国税関係書類のみを対象とする点です。
e-文書法は、従来、紙での保存が義務付けられていた文書全般の電子化を認めるもので、約250の法律を横断的に容認しています。電子帳簿保存法は、その約250の法律のうちの一つですが、所得税法や法人税法などの国税関係書類を扱う法律のみを対象とし、詳細の規定が定められています。
承認が必要が否か
以前は、e-文書法と電子帳簿保存法の大きく異なる点として、電子化にあたって承認が必要か否かという点がありました。電子帳簿保存法に従い、国税関係書類を電子化したい場合は、税務署長などから承認を受ける必要がありましたが、2021年の電子帳簿保存法改正により、税務署長への事前承認制度が廃止されます。そのため、2022年の施行からは申請が不要となります。
要件の違い
e-文書法は、先にお伝えした電子化の基本的な4要件のうち「見読性」「完全性」「機密性」「検索性」を満たすことが要件になりますが、電子帳簿保存法は大きく「真実性の確保」「可視性の確保」の2つの要件があり、細かく規定されています。対象となる文書に応じて要件を確認する必要があります。
まとめ
e-文書法と電子帳簿保存法に基づき、書類を電子データ化することは、企業活動で日々発生する書類のほとんどは、破棄することが可能になるため、保管コストの削減が期待できます。
また、書類をデータ保存できることで、探す、まとめる、提出する等の手間の削減も可能になることから、業務効率の向上も期待できます。
e-文書法と電子帳簿保存法の違いを正確に理解することで、それぞれの法律の特性を知り、対象となる文書の電子データ化にしっかりと対応していくことができ、上記のメリットを享受しやすくなるでしょう。
電子帳簿保存法の対応状況や、対応後の経理業務にかかる時間の変化など、アンケート調査結果をご紹介します。