海外航空券 チケット代金高騰の中で企業として必要な準備
JTBビジネストラベルソリューションズ(以下JTB-CWT)の取扱実績において、海外航空券の平均単価は23年10月掲載WEBマガジン「国内出張におけるコスト削減のコツを事例を交えて紹介!」の国内航空券の上昇率と比較すると上昇率がより高いことがわかります。コロナ禍前よりも出張回数は少ないにも関わらず、出張経費の使用状況は同程度という企業もあるのではないでしょうか。海外航空券単価の上昇がいつまで続くか不透明な中、少しでもコストを抑制するために企業が準備すべきポイントを取組事例と合わせてご紹介します。
都市
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ビジネスクラス |
エコノミークラス |
||||
2019年 |
2023年 |
上昇率 |
2019年 |
2023年 |
上昇率 |
|
ニューヨーク |
¥649,924 |
¥867,442 |
133.5% |
¥242,977 |
¥353,557 |
145.5% |
フランクフルト |
¥572,808 |
¥939,430 |
164.0% |
¥238,922 |
¥383,016 |
160.3% |
ソウル |
¥122,569 |
¥172,503 |
140.7% |
¥47,012 |
¥67,201 |
142.9% |
上海 |
¥208,556 |
¥328,705 |
157.6% |
¥91,779 |
¥131,779 |
143.6% |
総計 |
¥492,926 |
¥736,675 |
149.4% |
¥125,981 |
¥192,195 |
152.6% |
※2019年と2023年のJTB-CWT取扱実績における方面別、海外航空券(公示運賃)の平均単価ならびに上昇率
目次[非表示]
- 1.海外航空券手配に関するよくあるご相談
- 2.企業として準備すべきポイント
- 2.1.出張傾向の把握・分析
- 2.2.出張ガイドラインの策定
- 2.3.出張ガイドラインの周知・定着
- 2.4.出張実績の定期的なチェック
- 3.導入事例
- 4.専門チームによるプログラムマネジメント
- 5.まとめ
海外航空券手配に関するよくあるご相談
このような状況において、JTB-CWT契約企業からもコスト適正化に関するご相談をはじめ、出張手配フローの改善、出張経費精算の効率化など様々なご相談をいただいております。
- 社内の海外出張の手配フローを棚卸し、アフターコロナにおいて最適な手配を実現したい
- 他の企業がコスト管理やガバナンス強化をどのように実践しているか知りたい
- 海外出張にかかるコスト削減のために、どのような方法があるか知りたい
企業として準備すべきポイント
今回は海外航空券におけるコストを抑制するために、安価な航空券での予約率を高めるための取組として『出張ガイドラインの策定』をご紹介します。
具体的な内容に入る前に、まずはじめに旅費規程と出張ガイドラインの違いについてです。出張に掛かる費用を会社がどのように支給するか定めた旅費規程に沿った形で航空券や宿泊施設の予約を実施しますが、旅費規程は大まかな内容(例:予約クラスの記載など)の記載にとどまっており、より細かなポイントや注意事項に関する記載はないのではないでしょうか。安価な航空券の予約率を高めるためには、旅費規程に記載のない、会社が推奨する航空会社、宿泊施設の予約時のポイントや注意事項を明確に従業員に示すことが重要であり、まとめた内容を『出張ガイドライン』と呼んでいます。
出張傾向の把握・分析
出張ガイドラインを策定するための最初のステップは「自社の出張傾向を把握・分析すること」です。自社の出張傾向の把握とは、出張頻度が多い国や方面、利用回数が多い航空会社や宿泊施設の確認を行うことであり、自社の傾向を考慮せずに出張ガイドラインを策定してしまうと、出張者の利便性が低下し、せっかく策定した出張ガイドラインが定着せずに形骸化してしまうでしょう。出張者の利便性を保ちつつ、出張管理を行うためにまずは自社の出張傾向の把握から始めることが重要です。
出張ガイドラインの策定
自社の出張傾向の把握・分析の後はいよいよ出張ガイドラインの策定です。ここで重要なのは、社員に対して浸透するわかりやすい基準かどうか、取り組める基準であるかどうかです。安価な航空券を手配出来る可能性が高い代表的な基準は以下3点です。
また、ガイドラインに沿って手配を行おうとしてもスケジュールの関係で基準通りの手配が出来ないケースも想定されます。そのような時のために、理由を申告したうえで手配を可能とする運用を取り入れることも大事なポイントです。この運用を取り入れることで、都度上司に確認を取る手間や時間が削減され、出張者もスムーズに手配を行うことができます。また、出張管理者にとっては、出張実績レポートでの確認ができ、出張ガイドラインの見直しをする際にも参考となります。
出張ガイドラインの周知・定着
策定した出張ガイドラインを社内周知し、定着させる1つの手段として、海外航空券・宿泊オンライン予約ツール(以下OBT)の活用が挙げられます。策定したガイドラインをOBT上に設定することで、出張ガイドライン順守率の向上、手配フローの効率化などガバナンス強化にも貢献します。また、OBTを利用することのメリットとして、出張者の都合の良いタイミングでスケジュール検索、料金照会が出来る点が挙げられ、旅行代理店へメールや電話で予約を依頼し、回答を待つことがなく利用することができるため少しでも安価な料金で予約できる可能性を高めることにも繋がります。海外出張に関する手配の見直しを検討している企業はOBT活用もぜひご検討ください。
出張実績の定期的なチェック
航空券や宿泊の価格は日々変化しているため、策定した出張ガイドラインの順守率や購買状況など出張実績を3カ月~6カ月に一度定期的にチェックし、見直しすることも忘れてはいけないプロセスです。環境の変化に合わせてガイドラインも適切な内容へアップデートしていくことがコスト抑制に繋げるための秘訣です。
導入事例
海外オンライン予約ツールを導入することによるコスト可視化とガバナンス強化の実現
背景・目的
製造業A社では、「徹底したコスト削減」と「生産性向上」という2つの課題を持っていました。特に、海外出張時の航空券の直接コスト削減や業務フローの生産性向上による間接コスト削減、実現するためのプラットフォームの構築が必要でした。
課題
- 海外出張の航空券やホテルの手配時に、旅行代理店とのメールでのやりとりに時間を要しているという出張者の声があった
- 出張申請ならびに承認と海外航空券の予約情報が連携しておらず、ガバナンスに不安があった
実施内容
- 社内規定や業務プロセスの洗い出し、見直し
- 海外航空券オンライン予約ツール(以下OBT)の導入
- 会社が社員に出張手配において求めることの言語化ならびにOBTへの反映
- OBT導入背景や設定内容の社員向け説明・周知徹底
- 危機管理システムや経費精算システムへのデータ連携
効果
- 出張に関するあらゆるフローにおけるガバナンス強化
- 航空券代金のコスト削減(OBT導入前比20%減)と予約関連業務の効率化の実現
専門チームによるプログラムマネジメント
取組事例1を実践するためには出張ガイドラインの策定が必要です。策定にはより専門的な知識・経験が求められるケースもあり、JTB-CWTでは企業における出張管理業務のトータルサポート、コンサルティングサービスのご提供を目的としたプログラムマネジメント専門チーム※を設置しています。本チームでは、BIツールを用いながらご契約企業様の出張実績データの分析/コスト適正化に向けたアクションプラン作成/実施したアクションに対するレビュー資料の作成・報告など、企業における出張管理業務をサポートいたしますので、出張管理を強化したい、適切に管理できる体制を構築したいという方はぜひ一度お声掛けくださいませ。
※本チームでのご対応は有償となります。
プログラムマネジメント専門チームとして、お客様の渡航実績を多角的に分析し、顕在的/潜在的課題を洗い出します。マーケティングデータ、他社データを用いたベンチマークを活用することで、貴社のBTM領域におけるポジションをご提示します。
分析を経て明らかになった課題に対し、お客様の企業文化や現状を踏まえた効果的な解決策プランとゴールイメージ、達成のための最適なロードマップをご提案します。
策定した解決策プランを元に実行をサポートし、定期的なレビューにて進捗をご報告します。進捗状況によってゴールの調整や改善に向けた新たなご提案を行い、改善サイクルを確立します。
お客様においても実行中プランの進捗状況がリアルタイム確認できるBIツールをご提供します。お客様のリスエストに合わせて設定変更を行うことも可能です。
まとめ
海外航空券の価格はコロナ禍前と比較すると上昇傾向にあります。このような状況において少しでもコストを抑制するための取組として今回は『出張ガイドラインの策定』をご紹介いたしました。出張コストにお悩みを抱えている方や業務フローを見直したい方など、出張手配・管理に関する課題をお持ちの場合はぜひ一度ご相談くださいませ