海外出張の経費精算は国内出張とどう違う?効率化する方法をご紹介
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出張経費の精算業務は、経理業務の中でも、特殊で少し専門知識を要する業務の一つです。出張には国内出張と海外出張がありますが、海外出張は国内出張とは異なる精算を行う必要があります。今回は、海外出張と国内出張の経費精算にはどのような違いがあるのか、また、海外出張の経費精算ならではの特徴とやり方、および効率化する方法をご紹介します。最後には、海外出張の経費精算を効率化するシステムもご紹介しますので、システム導入をご検討中の方もぜひご覧ください。
出張の周辺業務を効率化するための3つのポイントと、具体的な実施方法をご紹介します。
海外出張と国内出張の経費精算の違いとは
まず、出張の経費精算とはどのような業務なのか確認しておきましょう。
出張経費精算とは
出張経費精算とは、出張時の交通費や宿泊費をはじめとした出張にかかった費用を精算する業務です。出張者から受け取った出張精算書や領収書などの申請情報を元に精算を行います。
出張経費については、社員が出張で使う費用を立て替えて、後から立て替えた金額を会社が支給する「立替」方式や、はじめから一定額を社員に支給しておく「仮払い」方式があり、会社によって異なります。
また、何を出張経費とするかについても、会社によって異なります。一般的には、交通費や宿泊費のほか、タクシー代、レンタカー代、駐車料金、取引先との通信費などが出張経費に含まれます。会社ごとに出張旅費規程が定められており、経理担当者はそれを元に出張経費精算を行います。
海外出張と国内出張の経費精算の違い
同じ出張であっても、海外出張と国内出張とでは、経費精算のやり方や内容が少し変わってきます。主な違いを確認しておきましょう。
経費の種類や範囲が異なる
国内出張と異なり、海外出張では、渡航前後に発生する費用があります。例えば、海外各国に入国する際に必要なパスポート(旅券)の申請費用や、必要に応じてビザ(査証)申請費用、ワクチン等予防接種費用、通訳・ガイドの利用費用などです。
これらが出張経費としてどのような扱いになり、どのような仕訳になるのかは、各社の出張旅費規程によって異なるため、事前確認と正しい対応が必要になります。
精算方法が異なる
海外出張は、国内出張と精算方法が異なります。提出された証憑である領収書やレシートを1枚ずつ確認し、ドルやユーロなど外貨で支払われたものは使用日時の為替レートに合わせて精算します。また、日本から海外までの渡航費や現地での費用については、日本の消費税は課税されませんので、不課税取引として扱います。
海外出張特有の経費精算の特徴とやり方
海外出張の経費精算には、国内出張の時には発生しない経費精算の工程がいくつかあります。詳しくやり方を見ていきましょう。
使用当日の為替レートで精算
ドルやユーロなど外貨で支払った場合は、使用日当日の為替レートを確認し、日本円に換算する必要があります。使用するレートは、一般的には次の3種類から選びます。
TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate):円を外貨に交換する際のレート
TTB(Telegraphic Transfer Buying):外貨を円に交換する際のレート
TTM(Telegraphic Transfer Middle Late):上記2つの中間値。銀行などが決めたレート
海外出張で使用するレートは、通常、TTSとなります。例えば、出張先の現地で経費をドルで支払った場合、日本円をドルに交換したはずですから、TTSを利用します。社員が手元に余った外貨を日本円に戻すといった場合には、TTBを利用します。
ここで注意が必要なのは、外貨両替の際には手数料が発生することです。手数料も経費として精算する場合が多いので、忘れずに対応する必要があります。会社の規定に従いましょう。
領収書などの証憑の確認
領収書などの証憑の入念なチェックは、国内出張と同様に重要です。申請ミスや不正受給の見落としを防ぐためにも、しっかりと行う必要があります。
しかし、海外出張の証憑は、渡航先の国の言語で書かれているのが一般的です。そのため、外国語を読めるようにしておく必要があるでしょう。英語や中国語など、出張先となる国の言語については事前に、証憑の頻出単語などだけはしっかりと理解しておくなど準備をしておきたいものです。
もし他の外国語は難しくとも、英語なら理解できるという場合は、英語圏以外の国の証憑の場合は、できるだけ英語で領収書を発行してもらうようにしておくと良いでしょう。
海外出張の経費精算を効率化する方法
海外出張の経費精算は、煩雑な部分も多く、できるだけ効率化したいものです。ぜひ次のような効率化する方法を活用しましょう。
出張者にクレジットカードで支払いを行ってもらう
海外出張の経費精算は、出張者に全ての経費を会社支給の法人向けクレジットカードで支払ってもらうことで、大幅に効率化できます。なぜなら、クレジットカードの明細には為替レートが記載されるため、為替レートを見て換算するといった作業をなくすことができるからです。
ただし、渡航先の国や支払い先によっては、クレジットカード払いに対応しておらず、現金払いのみの場合もあります。現金払いが主流の国では、クレジットカード精算はなかなか現実的ではないでしょう。その点は注意が必要です。
外貨対応の出張精算システムを利用する
海外出張だけでなく、国内出張も含めた出張精算を効率化するために、出張精算システムを利用する会社は多くあります。出張精算システムとは経費精算システムの一種です。
経費精算システムとは、経費精算において必要な申請、承認、仕訳の後の会計ソフトへのデータ連携までの一連の経費精算業務を効率化するシステムのことです。この経費精算システムに出張経費ならではの精算機能が盛り込まれたものが、出張精算システムです。
出張精算システムの中には、海外出張に対応しており、外貨レートをあらかじめ登録しておくなどすることで、自動計算してくれるシステムが存在します。これを利用すれば一つ一つ手計算をする必要がないため、手間が省けます。
また、出張精算システムの中には、海外航空券などのチケット手配が手軽にできるシステムも存在します。こうしたシステムを利用すれば、出張手配、旅程管理、出張精算が一つのシステム内で完結するため、出張前後の業務をまとめて効率化できます。
クレジットカードデータを経費精算システムに取り込んで処理する
出張精算システムなどの経費精算システムを利用する場合は、クレジットカードの利用明細データを連携して取り込める機能がついているものを選ぶとより効率化できます。為替レートの計算も手入力も不要になるので、経理担当者の業務の手間を大きく削減できるでしょう。
海外出張にも対応した出張精算システムのご紹介
海外出張の経費精算業務は、国内出張の精算とは異なる点があることをお伝えしましたが、出張精算システムを活用することで、煩雑さや手入力の負担を大幅に軽減できます。
海外出張にも対応した出張精算システムでおすすめなのが、JTBグループが開発した『J’sNAVI NEO(ジェイズナビ ネオ)』です。
J’sNAVI NEOは、出張手配機能を有する経費精算システムであり、出張の事前申請~手配~精算までワンストップで行うことができるほか、海外出張に便利な次のような機能も備えています。
外貨対応
あらかじめ管理者が外貨ごとに登録した為替レートや、精算書内に出張者が手入力した換金実績またはその加重平均の為替レートを用いて、外貨の自動計算が可能です。外貨の換算が楽に行えます。
新幹線・航空機・ホテルなど、国内外のオンラインチケットの手配
JTBグループならではの機能として、新幹線・航空機・ホテルなど、海外も国内も共にオンラインチケットの手配が可能です。予約した情報はシステムに取り込めるので、申請や精算の処理も楽に行えます。
クレジットカード利用明細データ連携
海外出張のみならず、国内出張の経費精算においても、法人向けクレジットカードの利用明細データを連携できるのは、精算業務の効率化につながります。
海外出張精算の効率化を目指す企業様には、特におすすめのシステムです。ご不明な点はぜひお気軽にお問い合わせください。
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