電子帳簿保存法の対応成功企業の共通点を大公開!
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過去2回にわたって電子帳簿保存法スキャナ保存に対応する際の、制度上の留意点と、プロジェクト進行に関する留意点を解説いたしました。
今回は、実際に電子帳簿保存法スキャナ保存に対応し、経費精算における領収書を電子化するプロジェクトを運用まで定着させた企業の共通点を解説いたします。
電子帳簿保存法の対応状況や、対応後の経理業務にかかる時間の変化など、アンケート調査結果をご紹介します。
共通点① 導入前の事前分析の実施
成功した企業の共通点として、まず電子帳簿保存法スキャナ保存の対応可否を決定する前に、対応した場合の導入効果を算出しております。電子帳簿保存法スキャナ保存に対応することで一般的に以下の導入効果が期待されております。
定量的効果 |
費用 |
郵送にかかる費用の削減 |
領収書原本の保管場所にかかる費用の削減 | ||
工数 |
申請者における台紙印刷・領収書糊付けにかかる工数の削減 |
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領収書原本の発送(支社から本社へ等)にかかる事務担当者等の工数の削減 | ||
承認者・経理担当者による原本と申請内容の突合にかかる工数の削減 | ||
経理による原本の保管のためのファイリング等の作業にかかる工数の削減 | ||
監査時の対応工数の削減 | ||
定性的効果 |
内部統制の強化 |
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災害対策(BCP)の実現 | ||
テレワークの導入促進 | ||
ESG(Environment, Social, Governance)評価の向上 |
しかしそれぞれの導入効果がどれほどの大きさになるかは各企業によって異なります。
電子帳簿保存法スキャナ保存を導入し成功した企業では、上記メリットが自社において具体的にどれくらいの効果をもたらすのか事前に分析しております。
事前分析を行っている企業では、いざ導入を進めた際に営業部門等他部署から「以前より手間が増えるのではないか」といった意見が発生した場合にも、事前調査をもとに明確に回答することができます。
また事前分析の結果をもとに取締役会等でプロジェクトの承認を得ている企業も多数存在します。プロジェクトの承認を事前に取締役会で得ておくことで、そもそも他部門からプロジェクトに対する疑問の声が上がることが少なく、協力を得やすい環境を整えることができます。
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共通点② 実運用を見据えた業務プロセスフローの構築
電子帳簿保存法スキャナ保存に対応するためには
- スキャンやアップロードなどの入力の条件
- 入力期間の制限
- 電子化実施者及び紙原本チェック者の特定
- 定期検査の運用方法
といった法令要件を満たした業務プロセスフローを構築する必要があります。
電子帳簿保存法スキャナ保存を導入し、申請後混乱なく運用している企業では以下のポイントについて重点的に議論を重ね、新業務プロセスフローを構築されております。
- 電子化を実施する際の入力機器の決定(私用スマホの利用可否等)
- 不備が発生した場合の報告経路・対応経路の確立
- 費用対効果とガバナンスの観点を考慮した紙原本の集約方法の策定
- 定期検査までの紙原本の保管方法
上記のポイントについて十分な議論がされていないと、実際の運用が開始された段階で現場からの問い合わせが多発し、混乱させてしまう一因になりかねません。場合によっては、業務プロセスフローの変更が必要になるケースも見受けられます。
そのため、法令要件を満たすだけでなく、実際の運用面の課題等を事前に洗い出し、解決するための方策を導き出すなど、ありとあらゆる場合を想定したうえで業務プロセスフローを構築する必要があると考えられます。
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まとめ
領収書電子化のプロジェクトを成功させ、運用を定着させている企業では、導入前の事前調査・分析を行い、かつ法令要件を満たすだけではない詳細な業務プロセスの検討を行っています。現在電子化プロジェクトを行っている、またはこれから行おうとしている企業の方々は、上記ポイントに留意いただきプロジェクトを推進いただければと存じます。
電子帳簿保存法の対応状況や、対応後の経理業務にかかる時間の変化など、アンケート調査結果をご紹介します。