デジタルインボイスとは?メリットや活用方法をご紹介

インボイス制度が開始してから、請求書の電子化の動きがより一層高まっています。実際、電子インボイスは多く取り入れられていますが、さらに利便性を高めるデジタルインボイスの浸透も進んでいます。

今回は、デジタルインボイスに焦点を当て、その概要から実施のメリットやポイントをご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.デジタルインボイスとは?
    1. 1.1.電子インボイスとの違い
    2. 1.2.デジタルインボイスの利活用が推進されている背景
  2. 2.デジタルインボイスの形式「Peppol」とは?
  3. 3.デジタルインボイスに最低限必要な項目
  4. 4.デジタルインボイスのメリット
    1. 4.1.経理業務の効率化
    2. 4.2.人為的ミスの防止
    3. 4.3.やりとりする双方のソフトに依存しない
    4. 4.4.請求代金の迅速な回収につながる
  5. 5.デジタルインボイス活用のポイント
    1. 5.1.「請求業務を効率化する」という目的を明確にする
    2. 5.2.検証を実施する
    3. 5.3.デジタルインボイスに対応したシステムの導入を行う
  6. 6.まとめ


デジタルインボイスとは?



デジタルインボイスとは、標準化・構造化された電子インボイスを指します。

電子インボイスとは、電子データ化されたインボイス(適格請求書)のことです。インボイス制度は一定の項目が記載された請求書などを発行し、保存することで、仕入れ側が消費税の仕入税額控除を受けられる制度です。インボイスなどをルールに沿って電子化すれば、紙のインボイス同様にやりとりすることができます。

デジタルインボイスは、ただ電子化するだけでなく、プロセス全体をデジタル化することを指します。請求情報を売り手のシステムから買い手のシステムに対して、人を介することなく、直接データ連携することで自動処理される仕組みを利用します。


電子インボイスとの違い


デジタルインボイスと電子インボイスは異なります。電子インボイスは、単にインボイスを電子データ化したものですが、デジタルインボイスはデータのやりとりのプロセス全体のデジタル化を指します。


また、請求だけでなく、支払いや入金消込といった会計・税務関連の業務まで全体がデータでつながることを目指します。


デジタルインボイスの利活用が推進されている背景


なぜ電子化だけでなく、プロセスのデジタル化が推進されているのでしょうか。


その背景として、電子データで受け取ったインボイスをわざわざ手入力するなどの、アナログとデジタルが混在したバックオフィス業務の非効率な状況があるためです。

ただの電子化(デジタル化)ではなく、業務プロセスそのものをデジタル化するデジタライゼーションによって請求をはじめとした一連の業務プロセスをデジタル化し、全体の業務効率化を図ることが求められています。


デジタルインボイスの形式「Peppol」とは?


デジタルインボイスを推進する際に、電子インボイスなどをネットワーク上でやりとりするための共通の規格に準じたシステム作りが進められています。

日本では、世界で利用されている「Peppol(ペポル)」という国際規格をデジタルインボイスの規格として準拠する方向性で動いています。

すでに国内ではPeppolに準拠した標準仕様として「JP PINT」が策定され、公開されています。

JP PINTのうち、インボイス(適格請求書)に対応する「Peppol BIS Standard Invoice JP PINT」という規格が作られました。これは消費税の適格請求書等保存方式における適格請求書の記載事項を満たすことができるよう作られています。

ただしデジタルインボイスを利用する際に、JP PINTを用いることは義務ではありません。そもそも電子インボイスの提供・受領も義務ではありません。現状は、必要に応じて対応すると良いでしょう。





デジタルインボイスに最低限必要な項目



デジタルインボイスのデータには、適格請求書の要件を満たす次の7項目が最低限含まれる必要があります。

1.書類の作成者の氏名又は名称
2.資産の譲渡等の年月日
3.課税資産の譲渡等に係る内容(軽減税率対象資産の譲渡等である旨)
4.税率ごとに区分して合計した対価の額(税込or税抜)
5.書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
6.適格請求書発行者登録番号
7.税率ごとに区分して合計した消費税額及び適用税率



デジタルインボイスのメリット



デジタルインボイスを採用することで、次のようなメリットが期待できます。


経理業務の効率化


経理担当者がインボイスを受け取ったときにわざわざシステムに手入力していたケースでは、デジタルインボイスを導入することで自動化が進むため、作業負荷が軽減されます。ただ電子インボイスを利用するだけでは経理業務のペーパーレス化は実現できても、自動化までは至りません。デジタルインボイスを採用することで、経理業務の一連のフローを効率化できます。


人為的ミスの防止


手作業による入力業務は、手間と時間がかかるだけでなく、入力ミスや計算ミスなどの人為的ミスが起こり得ます。人が行う限り、人為的ミスは完全になくすことはできません。その点、デジタルインボイスの仕組みが整い、入力が不要になれば、人為的ミスも防止・削減できます。修正の手間もなくなるため、よりスムーズかつ効率的に業務が進むでしょう。


やりとりする双方のソフトに依存しない

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​​​​​​​​​デジタルインボイスのやりとりでは、買い手と売り手などのやりとりをする双方が異なるバックオフィスソフトを利用していても問題なく実施できます。JP PINTといった標準規格に準拠した仕組みを構築することから、標準化された互換性のある仕組みの中でやりとりできるためです。企業間で同じ会計ソフトを利用する必要がありません。


今後、デジタルインボイスが普及すれば、多くの企業とのやりとりが可能になるでしょう。


請求代金の迅速な回収につながる


紙の請求書やインボイスのやりとりにおいては、数日間のタイムラグが発生します。修正があればさらに期間を要します。

一方、電子インボイス化やデジタルインボイス化を行うことで、発行したその日に取引先への配信が可能になり、修正があってもすぐに送信することが可能です。取引がスムーズに進むため、請求する立場であれば請求代金の迅速な回収につながるでしょう。



デジタルインボイス活用のポイント


今後、デジタルインボイスに切り替えていきたいとお考えの方は多いのではないでしょうか。そこでデジタルインボイスへうまく移行・活用するポイントをご紹介します。



「請求業務を効率化する」という目的を明確にする


デジタルインボイスを導入する際には、デジタル化、規格への準拠などの作業そのものに注力しがちですが、あくまで目的は、請求業務を効率化することにあります。そのため、経理部門の担当者にとっての業務効率を重視することが大切です。ただデジタル化を急ぐのではなく、現場目線で進めていくことが重要といえます。


検証を実施する

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デジタルインボイスが推奨されているからといって、すぐに導入したとしても、実際にメリットが得られるかどうかは不明です。例えば、デジタルインボイスに対応していない取引先が多ければ、意味がないからです。まずは電子インボイス化から始めるなど、自社に合った進め方をおすすめします。

またデジタルインボイス化によってどのような効果が、どれくらい得られるのかを前もって検証することも必要でしょう。


デジタルインボイスに対応したシステムの導入を行う


今後、デジタルインボイスが普及していき、取引先にも対応する企業が増えていくと考えられます。それに備えて、デジタルインボイスに対応したシステムの導入を検討するのも良いでしょう。
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Excelなどで作成した請求書を利用することに問題はありませんが、必要な項目の入力漏れなどが発生することは避けられません。すでに必要な項目に標準化されたシステムを利用することで、企業間双方の業務効率化・負荷低減が期待できるでしょう。



まとめ


デジタルインボイスの概要やメリット、導入のポイントをご紹介しました。ぜひ今後の経理業務効率化を目指して、進めていくことをおすすめします。

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経費精算システム「J'sNAVI NEO」編集部 経費精算や出張管理業務の効率化を追求してきた20年の実績を活かし、経理や人事のバックオフィス業務をはじめとするビジネスに役立つ情報を更新しています。

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