正しく経費として精算するための領収書のもらい方は?
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事業を行う上でかかったコストは、経費として処理します。しかし、当然ですが、経費として認められるのは「仕事のために支出したもの」だけです。経費として処理すべきでないものを誤って計上したり、故意に税負担を逃れようと経費計上したりするケースがあるため、税務署が目を光らせています。そこで、経費として処理すべきものであるということを証明するためにも、領収書をもらっておく必要があるのです。
では、どのような領収書で経費精算すればいいのでしょうか。
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領収書にかかれているべき5つの要素
領収書は、事業のために支出したということを示す証拠書類になります。
消費税法第30条9項1号に、領収書(条文上は「請求書」)に記載すべき事項が定められています。それは「日付、宛名、金額、但し書き、発行者の住所・氏名」の5つです(ただし、これは消費税法上のことであり、この5項目がなければ領収書として、経費として認めないという意味ではありません)。
経費として使った金額だけでなく、どんなものを買ったのかが明らかになるため、経費として正しく精算することができます。
とはいえ、常に完璧な領収書を受け取れるとは限りません。正式な領収書でない場合には、どうすればいいのでしょうか。
レシートでも領収書と同じように扱うことができる
正式な領収書ではなくレシートしかない場合でも、それを領収書のように経費の証拠書類として使うことは可能です。
近年では、日付、金額、購入商品の明細、発行者(店舗名など)が書かれているレシートがほとんどです。宛名以外はすべて書かれています。但し書きに至っては、明細が載っているため、レシートの方が詳しいくらいです。
ただ、古いレジを使っているお店などで、レシートに金額と日付くらいしか書かれていない場合は、領収書をもらった方がいいでしょう。
なお、レシートの多くが感熱紙であることにも注意が必要です。長期間経過していると、文字が見えなくなってしまう場合があります。印字面を内側に折っておいたりして見えなくなるのを少しでも防ぐか、普通紙にコピーしておくなどの対応も必要です。
宛名が空欄の領収書でもかまわないが
宛名がない領収書や宛名を「上様」とした領収書が無効になるわけではありません。実際、消費税法上でも、小売業・駐車場業・飲食業などでは、宛名がない領収書でも有効とされています。
しかし、そのような領収書で経費計上すると、税務署から「本当に、その会社が何かを買った領収書なのか」と疑問を持たれかねません。もちろん、何に使ったのかをきちんと説明できればいいのですが、余計な追及を受けたり疑われたりすることになってしまうため、宛名入りの領収書があるに越したことはありません。
そのため、会社によっては、宛名のない領収書やレシートでは経費精算しないというルールにしているところもあります。
但し書きだけでは「仕事のため」と証明しにくいものは、追記をしておく
仕事のための支出であっても、その内容によっては「仕事ではなく個人的な支出ではないか」と疑われてしまうものもあります。飲食に関するものや贈答品を購入した場合などがそうです。
取引先との打ち合わせや接待に飲食店を訪れたのであれば、「○○株式会社 △△様と商談」などのように追記し、誰と何のための飲食費なのかを明確にします。贈答品の場合でも同様に、「○○株式会社 △△様への贈答品」などと追記しておきましょう。
交際費関連は、税務署が調査に訪れた際に必ずと言っていいほど細かくチェックしてくるため、接待相手や贈答先を忘れてしまわないよう、経費精算する際に忘れずに追記しておくようにしましょう。
【参考】
♦ 経費とは?効果的な節税を行うための必要な知識について
♦ 損金算入できる接待交際費の上限金額は?
収入印紙がない領収書はどうすればいいのか
領収書を発行する際、受け取った金額が5万円以上になると収入印紙を貼らなければなりません。しかし、印紙を貼り忘れた領収書を受け取っている場合があります。
この場合、領収書を受け取った側が、わざわざ印紙を貼る必要はありません。収入印紙の貼付義務は領収書の発行元にあるためです。そのため、印紙が貼られていない領収書が無効になることはありません。
領収書が発行されないのが一般的なものはメモでも可
出張などで旅費交通費を支出することが日常的にありますが、電車やバスに乗るときに領収書をもらうことは通常ありません。また、会社の代表として出席した結婚式のご祝儀やお葬式の香典も、領収書を受け取ることはないでしょう。
このような場合は、メモで記録しておくしかありません。日付や金額を記入した伝票を作成するだけではなく、旅費交通費では利用した区間を明記し、ご祝儀や香典では案内状を添付しておくなどして、会社の仕事としての経費支出だということを明らかにしておきましょう。
まとめ
以上のように、経費を正しく精算するためには、正式な領収書があるに越したことはありません。けれども、領収書を受け取れない場合や不完全な領収書を受け取ってしまっている場合もあります。そんなときには、「仕事のために支払った経費」であることを明確にできるよう、追記や証拠書類を添付するなどの対応を取っておきましょう。
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