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仮払金のデメリットと効率的な精算方法とは?

ビジネスの大事な場面で必要になる出張。その出張で発生することがあるのが「仮払金」です。今回は、出張費にまつわる仮払金の概要や立替金との違い、メリット・デメリット、仮払金の精算・仕訳の流れ、仮払金精算の業務効率をアップする方法をご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.仮払金とは
    1. 1.1.「仮払金」と「立替金」の違い
    2. 1.2.仮払金のメリット・デメリット
  2. 2.仮払金を用いる際のポイント
  3. 3.仮払金の精算方法
    1. 3.1.仮払金精算の流れ
  4. 4.仮払金精算で注意すべきポイント
  5. 5.システムを利用して効率化する手段も
  6. 6.まとめ


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仮払金とは

仮払金とは、会社の「支出」について正確な金額がまだ確定ができない時点において、概算で支出する現金や小切手などのことを指します。

例えば出張時に、交通費や宿泊費、その他の経費などを出張担当者が立て替える方式を採っている会社があるとします。もし、出張費が高額になりすぎる場合、出張担当者に負担をかけるのを防ぐため、出張担当者が立て替えるのではなく、会社が事前に支出予定の概算額を、仮に出張担当者へ支払います。これを仮払金と呼びます。

仮払金は、遠方への出張や大きな接待が頻繁にある会社などに採用され、勘定科目は仮払金として処理します。

「仮払金」と「立替金」の違い

仮払金について考える場合、「立替金」と混同しやすいため、その違いを確認しておきましょう。

立替金とは、本来、社員や取引先企業などが支払うべきお金を、会社が一時的に立て替えたお金のことです。

仮払金も立替金も、どちらも“一時的に支払う”ことが目的のお金であることは共通していますが、仮払金は使途が明確でない一方、立替金は使途が初めから明確であるという違いがあります。
また仮払金は後日になって使途と金額が決まり、仮払いした相手から申請を受けて過不足を精算します。立替金は後日、必ず立て替えたお金が戻ってきます。

つまり、仮払金は「経費」であり、立替金は「金銭債権」という大きな違いがあります。

▼参考

立替精算業務の負荷を改善し、社内全体で生産性をアップする方法とは?


仮払金のメリット・デメリット

仮払金は、出張などで採用している会社とそうでない会社とがあります。仮払金にはメリットやデメリットがあるため、それを踏まえて自社で採用するかどうかを検討する必要があります。

メリット
・従業員が出張や接待にかかる費用を立て替える必要がなくなるため、高額負担を避けられる。

デメリット
・仮払金の出金・精算時に現金を扱う作業や仕訳作業が発生する。
・細かな金額の現金を扱うため、ミスが発生しやすく、入念なチェックが必要になる。
・精算時に不正申請の恐れがある。
・月末や年度末に精算漏れのチェックが必要になる


仮払金を用いる際のポイント

仮払金を用いる際のポイントをご紹介します。

●決算までには内容を確定させる
仮払金は一時的に使用する勘定科目であるため、決算までに内容を確定し適切な勘定科目に振り替える必要があります。決算までに内容を確定できないと、仮払金として貸借対照表の資産の部に計上することになり、その場合管理面での不備などを税務署や金融機関から疑われてしまう可能性もあります。仮払金は会社の信用面にも関わってくるため、できる限り早く内容を確定させ適切な対応をするようにしましょう。

●関わる人間を複数にする
仮払金は、不正が発生しやすい勘定科目のため、不正の発生リスクを防ぐため、一人ではなく複数人で管理するのが望ましいです。会社のお金を精算前に取り扱うため、複数人で管理することで事前にリスクの発生を抑制することができます。

●適切な勘定科目への変更
仮払金が発生すると初めは仮払金として仕訳されますが、内容が判明次第、適切な勘定科目に変更することが大切です。仮払金に仕訳されたままですと不正の発生リスクがあったり、会社の正しい経費の把握ができなくなってしまったりする可能性もありますので、仮払金は一時的にだけ使用する勘定科目という認識を持つようにしましょう。


仮払金の精算方法

経理担当者がどのように仮払金を精算するのか、出張経費の仮払金が発生したときの具体的な流れを見ていきましょう。

仮払金精算の流れ

1.出張担当者から仮払金の申請を受ける
会社によって異なりますが、まず「仮払金申請書」を、仮払金を受け取る担当者が記入し、経理部に提出して申請します。経理担当者はこれを受け取り、仮払金額等を確認します。このときに記載内容に問題ないか、しっかりチェックする必要があります。

2.仮払金を渡す
出張担当者へ仮払金を渡します。やりとりを記録するために、会社ごとの指定の書類にサインと捺印をするのが一般的です。

3.仮払金の報告を受ける
出張担当者が出張を終えたら、仮払金をどのように使用したかの報告のために、「仮払金精算書」を提出してもらいます。もし仮払金が余っていたら返金してもらいます。出張中に仮払金が足りなくなり、一部の費用を担当者が立て替えた場合、会社から返金が必要になるため、仮払金精算書に立て替えた費目と金額を記載してもらいます。

4.仮払金を精算する
経理担当者は、仮払金精算書を受け取った後、過不足を確認して精算を行います。手渡した仮払金が余った場合、余った分を確実に受け取り、足りなかった場合、出張担当者が立て替えた金額を返金します。これで仮払金が「出張経費」となり、金額も確定します。

5.仮払金を仕訳する
仕訳の際は、まず「仮払金」として仕訳し、精算後に「旅費交通費」などの科目で仕訳します。

例として、出張担当者に現金15万円を仮払いしたケースの仕訳方法をご紹介します。


(1)仮払金を手渡した後に「仮払金」として仕訳

借方科目

金額

貸方科目

金額

仮払金

150,000

現金

150,000

(2)精算後に出張経費として仕訳
出張における実際の使途を確認し、精算します。例えば仮払金15万円のうち、交通費が8万円、交際費が3万円だった場合、出張にかかった経費は11万円となります。「15万円-11万円」で4万円残っているはずですから、出張担当者から返金してもらい、帳簿にも「現金」として仕訳します。

借方科目
金額
貸方科目
金額
旅費交通費
80,000
仮払金
150,000
交際費
30,000


現金
40,000


仮払金が不足しており、出張担当者がその不足分を立て替えた分を渡した場合も帳簿付けする必要があります。例えば仮払金が1万円分不足していた場合、出張担当者に1万円を渡して、貸方科目に「現金」1万円として仕訳します。

借方科目
金額
貸方科目
金額
旅費交通費
110,000
仮払金
150,000
交際費
50,000
現金
10,000


仮払金精算で注意すべきポイント

ここで改めて、仮払金精算で注意すべきポイントについても確認しましょう。

まず、領収書の管理は最も重要です。領収書が無ければ、支給された金額を正確に計上することが難しくなります。また、領収書には日付が記載されているため、仮払金の支給日や精算日を確認する際にも必要となります。

次に、精算の期限に関してですが、期限を過ぎてしまうと、精算が行えなくなる場合があります。期限は企業ごとに異なるため、いつまでに精算を行うべきか、事前に確認しておくことが重要です。

さらに、項目の詳細な記載も必要です。項目が曖昧な場合、後で確認した際に何に対する支給だったのか分からなくなる可能性があるため、具体的な内容を記載し、後で確認しやすいようにしておくことが大切です。

仮払金精算の処理の際は領収書の管理、期限の確認、項目の詳細な記載等を心掛けましょう。これらを遵守することで、仮払金の精算処理をスムーズに行うことが可能です。


システムを利用して効率化する手段も

仮払金のデメリットである、チェックや仕訳の機会が多く煩雑な作業が発生する点を回避するための良い策として、システムを利用する方法があります。

例えば、出張業務が発生した社員が、「出張手配システム」で出張申請、手配を行い、管理者の承認を受けます。システムを通して社員が手配した交通費や宿泊費は、後日、一括で会社に請求される仕組みであるため、会社は社員へ代金の仮払いを行う必要はありません。

つまり、出張手配システムを利用することで、仮払金自体が不要になるのです。


まとめ

仮払いは、従業員からの申請、それに対する経理側のチェック、現金の手渡し、精算、仕訳などさまざまなステップが必要になります。

出張手配ができるシステムを使えば、仮払いというプロセスそのものを省略できることから、手間と時間の削減が叶います。また一連の出張にまつわる経理業務効率化も実現することから、仮払金以外の面でもメリットが大きく、おすすめです。


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