ESG-BTM

ESG-BTMとは?出張管理でCO2削減を実現する方法

近年、気候変動による自然災害のリスクが高まりを受け、企業にとってCO2排出量の削減は避けて通れない課題となっています。特に、ビジネス活動に欠かせない出張は、大きなCO2排出源の一つとして注目されています。しかし、「現在の出張におけるCO2排出量が把握できていない」「CO2排出量を削減するための具体的な方法が分からない」など課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。

こうした課題に対応するため、JTBビジネストラベルソリューションズでは、ESGの観点を取り入れた新しい出張管理「ESG-BTM」をご提案しています。

この記事では、ESG-BTMの概要やCO2排出量削減の重要性と削減ステップについてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.ESG-BTMとは
    1. 1.1.環境(Environment)
    2. 1.2.社会(Social)
    3. 1.3.ガバナンス(Governance)
  2. 2.ESG-BTM導入のステップ
    1. 2.1.現状把握(出張実態・データ収集)
    2. 2.2.目標設定と出張ポリシーやガイドラインの整備
    3. 2.3.ワークフローやデジタルツールの導入
    4. 2.4.社内研修や意識改革の推進
    5. 2.5.効果測定
    6. 2.6.継続的な改善
  3. 3.なぜCO2排出量の可視化と削減が重要なのか
    1. 3.1.Scope3への対応
    2. 3.2.ESG開示・統合報告書での記載対象
    3. 3.3.投資家・取引先・社会からの信頼構築に貢献
  4. 4.JTBビジネストラベルソリューションズで実現するCO2排出量削減の4ステップ
    1. 4.1.STEP1:出張予約の一元化によるデータ蓄積
    2. 4.2.STEP2:蓄積したデータによるCO2排出量の可視化
    3. 4.3.STEP3:CO2削減アクションの提案
    4. 4.4.STEP4:カーボンオフセット・インセットの実施
  5. 5.まとめ

ESG-BTMとは

ESG-BTMは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の視点を取り入れた出張管理です。

従来のコスト・効率中心のビジネストラベルマネジメント(BTM)にESG要素を組み込むことで、企業は持続可能な経営や社会的責任の実現を目指すことができます。

▼ESG-BTMに関する資料ダウンロードはこちら

環境(Environment)

ESG-BTMの「環境」では、出張に伴うCO2排出量の削減が企業にとって重要な課題となります。そのため、鉄道の優先利用や、航空機利用時のバイオ燃料(SAF)の活用など、移動手段や燃料選択で具体的な工夫が求められます。

また、どうしても排出されるCO2については、カーボンオフセットやカーボンインセットを活用して環境負荷を低減できます。

カーボンオフセットは、削減努力後に残るCO2を再生可能エネルギープロジェクトへの出資や植林活動などで埋め合わせる方法です。

一方カーボンインセットは、省エネルギー技術の活用など、自社やサプライヤーチェーン内で直接的に環境改善を行うアプローチで、他社に依存せず責任ある取り組みが可能です。

これらの取り組みにより、企業は持続可能な出張管理と社会的責任の両立を実現できます。

社会(Social)

ESG-BTMの「社会」の視点では、出張者の安全や健康への配慮に加え、働き方改革を支援する取り組みが求められます。

例えば、出張と休暇を組み合わせるワーケーションやプレジャー制度を導入することで、従業員のワークライフバランスを高めることが可能です。

また、オンライン申請やモバイルアプリなどデジタルソリューションを導入することで利便性を向上させ、出張者の負担軽減と効率的な業務遂行を実現します。

ガバナンス(Governance)

ESG-BTMの「ガバナンス」では、企業の出張に関するルール整備と統制強化が重要です。

出張申請や経費精算をワークフロー化し、透明性の高いプロセスを構築することで、不正防止や効率化を実現します。

また、危機管理の観点からは、BCP(事業継続計画)や安否確認システムを導入し、出張者の安全確保と迅速な対応体制を整えることが求められます。

こうした取り組みにより、企業は健全で持続可能な出張管理を推進できます。

ESG-BTM導入のステップ

ESG-BTM導入のステップは以下のとおりです。

現状把握(出張実態・データ収集)

まず、従業員の出張実態や関連費用などのデータを収集し、現状を正確に把握します。

出張の頻度や移動手段、宿泊施設の利用状況を整理することで、改善の優先領域や削減効果の見込みを明確にします。

目標設定と出張ポリシーやガイドラインの整備

企業の方針として、ESGの各領域における目標を設定し、それを考慮した出張ポリシーやガイドラインを策定します。

移動手段の優先順位、宿泊施設の選定基準などを明確に示すことで、従業員が方針に沿った行動を取りやすくします。

ワークフローやデジタルツールの導入

出張申請や承認、経費精算、データ管理を効率化するために、ワークフローやデジタルツールを導入します。

データの自動集計や可視化、コストの管理が容易になり、改善策の効果検証もスムーズに行うことが可能です。

社内研修や意識改革の推進

従業員への研修や啓発活動を通じて、ESG-BTMの重要性や出張における環境配慮の方法を浸透させます。

意識改革を進めることで、方針やツールの利用が定着し、企業全体で持続可能な出張運用が可能になります。

効果測定

導入した施策の成果を評価するため、設定した目標に対し定期的に効果測定を行います。

達成状況が芳しくない場合は、出張コスト、従業員の遵守状況などを分析することで、改善点を把握し次のアクションにつなげます。

継続的な改善

導入後も定期的に運用状況や成果を見直し、改善策を実施します。

新しい移動手段の導入や制度の見直し、技術進歩に応じたデジタルツールの更新などを行うことで、ESG-BTMを継続的に最適化し、環境負荷低減と効率向上を両立させることが可能です。

なぜCO2排出量の可視化と削減が重要なのか

CO2排出量の可視化と削減が重要な理由は以下のとおりです。

Scope3への対応

企業のCO2排出量は、「自社における直接排出(Scope1)」「オフィスや工場で使用する電力、蒸気などの間接排出(Scope2)」「出張や物流、仕入れなどのバリューチェーン全体で生じる間接排出(Scope3)」に分けられます。

特にScope3は排出量の大部分を占め、関係者も多いため管理が難しい領域です。出張に伴う排出もScope3に含まれるため、データを正しく可視化して削減に取り組むことが重要です。

Scope3に対応することで、企業は自社とバリューチェーン全体の環境負荷を効果的に減らし、持続可能な事業運営につなげられます。

ESG開示・統合報告書での記載対象

世界的にScope3の開示が義務化されていく中で、日本でも今後数年の間にESG開示が求められる流れがあります。そのため、出張や物流などのScope3を含めた排出量を正確に可視化し、削減に取り組むことが重要です。

こうした取り組みを報告書に反映することで、企業は環境対応の透明性を示すことができます。

投資家・取引先・社会からの信頼構築に貢献

企業が出張や物流などのCO2排出量を正しく可視化し、削減に取り組むことで、投資家や取引先、社会に対して企業の環境対応の真摯さを示すことができ、信頼の構築につながります。

さらに、透明性のあるデータ管理と削減努力の開示は、企業価値の向上にも貢献します。

JTBビジネストラベルソリューションズで実現するCO2排出量削減の4ステップ

JTBビジネストラベルソリューションズを活用することで、企業は出張に伴うCO2排出量の可視化と削減を効率的に進めることができます。

ここでは、その取り組みの4つのステップをご紹介します。

STEP1:出張予約の一元化によるデータ蓄積

企業全体の出張予約を一元管理することで、航空券や鉄道の利用履歴、購入金額などの詳細な情報を蓄積できます。

ビズバンスJTB出張予約』を活用すれば、出張におけるCO2排出量を正確に把握することが可能です。

▼ビズバンスJTB出張予約の詳細はこちら

STEP2:蓄積したデータによるCO2排出量の可視化

収集したデータを基に、環境省が推奨する「旅行日数ベース」「利用額ベース」「距離ベース」の3つの方法でCO2排出量を可視化します。

商材ごとの排出状況を把握することで、削減の優先順位を明確にできます。

STEP3:CO2削減アクションの提案

可視化したデータを分析し、出張傾向に応じた具体的な削減策を提案します。移動手段の見直しや出張計画の最適化など、実行可能な改善策を提示することで、無理なく削減を進めることが可能です。

STEP4:カーボンオフセット・インセットの実施

どうしても削減できなかったCO2排出量については、カーボンオフセットやカーボンインセットを活用して補完します。これにより、企業全体でのCO2排出量の実質的な削減が可能になります。

▼出張予約・管理システム『ビズバンスJTB出張予約』に関する資料ダウンロードはこちら

まとめ

この記事では、ESG-BTMの概要やCO2排出量を削減する重要性、導入ステップについて以下の内容を解説しました。

  • ESG-BTMとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の視点を取り入れた出張管理
  • ESG-BTM導入のステップとして、現状把握、目標設定とポリシー整備、ワークフロー・デジタルツール導入、社内研修、効果測定、継続的改善が重要
  • 出張に伴うCO2排出量の可視化と削減は、Scope3対応を含めた環境負荷低減や投資家・取引先からの信頼の構築につながる

ESG-BTMは、出張管理を通じてESG経営を実践し、企業価値を高める新しいアプローチです。環境への配慮、働き方改革、ガバナンスの強化を同時に実現することができるため、企業全体で環境活動に取り組む風土づくりにもつながります。持続可能な社会の実現に貢献する第一歩として、サスティナブルな観点を含めた出張管理をぜひご検討ください。

株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ』では、ビズバンスJTB出張予約を提供し、企業の出張業務とCO2排出量管理を効率的にサポートしています。

国内外の航空券・鉄道・宿泊のオンライン予約に対応しており、出張申請から手配までを一元管理できます。出張データの蓄積・可視化により、CO2排出量の把握や削減策の検討が容易になり、カーボンオフセットやインセットの実施もサポート可能です。

出張業務の効率化と環境配慮を両立させたい企業さまは、ぜひ導入をご検討ください。

▼ESG-BTMに関する資料ダウンロードはこちら

編集部
編集部
出張管理・経費精算の「ビズバンスJTB出張予約」「ビズバンスJTB経費精算」「ビズバンスJTB経費データ連携」のトータルソリューションを提供。業務課題を目的とした豊富なツールとプロのコンサルティングで効果分析や運用改善をサポートしています。25年という実績を活かし、経理や人事のバックオフィス業務をはじめとするビジネスに役立つ情報を更新しています。

▼【漫画で読む】
今こそ目指せ!
出張手配と経費精算のDX化

今こそ目指せ!出張手配と経費精算のDX化

人気記事ランキング

カテゴリ

タグ一覧

お問い合わせ

出張手配・経費管理に関するご相談、ご質問などお気軽にお問い合わせください。

法人専用窓口 平日:9:30~17:30