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経費精算の年度またぎは可能?年度末処理の注意点と防ぐための対策

年度末の業務では、経費の精算が翌年度にずれ込むケースが発生しやすくなります。申請や承認の遅れ、書類未提出などが重なると、決算や予算管理に影響が出たり、経理業務の負担が増えたりする原因にもなります。

この記事では、年度またぎの経費精算が起こる具体例やリスク、法人における会計・税務上の処理ポイント、さらに発生を防ぐための対策やよくある疑問について解説します。

目次[非表示]

  1. 1.年度またぎの経費精算とは?なぜ問題になるの?
    1. 1.1.年度またぎの例
    2. 1.2.年度をまたぐと起こるリスク
  2. 2.年度またぎ経費の処理方法|会計・税務の考え方
    1. 2.1.「発生主義」と「現金主義」の違いを理解する
    2. 2.2.法人の場合の会計処理ポイント
    3. 2.3.税務上の注意点と経理部門が確認すべき書類
  3. 3.年度またぎの経費精算が発生しないようにする対策
    1. 3.1.締切スケジュールを明確化する
    2. 3.2.月末や事業年度末に近づいたときに社内に呼びかける
    3. 3.3.経費精算システムを導入して経費精算の申請手続きを楽にする
  4. 4.年度またぎの経費精算に関するよくある質問
    1. 4.1.Q1. 年度をまたいだ経費はどちらの年度で計上すべき?
    2. 4.2.Q2. 翌年度に申請しても経費として認められる?
    3. 4.3.Q3. 年度をまたいだ旅費・交通費はどう扱う?
  5. 5.まとめ

年度またぎの経費精算とは?なぜ問題になるの?

年度またぎの経費精算とは、実際にお金がかかった年度と、精算申請や請求処理を行う年度がずれてしまうケースを指します。このずれは、企業の正確な財務状況を歪め、予算実績の乖離、さらには税務リスクを招く可能性があるため、重大な問題となります。

現場では申請の遅れや書類未提出が起こりやすいものの、経理・管理部門としては、費用が発生したタイミングを正しく把握し、適切に処理することが重要です。

ここでは、年度またぎの例と起こりうるリスクをご紹介します。

年度またぎの例

年度またぎは、日常業務の中で特別な意図がなくても発生しやすいものです。

例えば、年度末に出張を行った場合、帰社後に精算申請をすると、申請自体が翌年度にずれ込むことがあります。また、3月中に備品を発注したにもかかわらず、請求書の到着が4月にずれ込むことも少なくありません。

さらに、年度末に行った会議や会食について、領収書が提出されないまま決算を迎えてしまうケースも見受けられます。

年度をまたぐと起こるリスク

経費精算が年度をまたぐと、まず問題になるのは会計処理がずれてしまうことです。本来計上すべき年度と異なる年度に経費が入ると、決算数値や部門別の実績に影響が出てしまいます。

こうした修正対応が発生すると、過年度分の確認や調整が必要になり、経理業務の負担も大きくなります。

さらに、監査や税務調査では「この費用はいつ発生したのか」を示す請求書や領収書の確認が求められるため、年度をまたぐ経費ほど説明や資料準備に手間がかかります。

個人にとっても、精算や立替金の返金が遅れる、社内規程によっては支払い自体が認められないといった不利益が生じることがあります。場合によっては、社内での信頼低下や注意・指導につながることもあるため、年度を意識した早めの対応が重要です。

年度またぎ経費の処理方法|会計・税務の考え方

年度またぎ経費を正しく処理するためには、会計と税務それぞれの基本的な考え方を理解しておくことが欠かせません。

ここでは、「発生主義」と「現金主義」の違いを整理したうえで、法人における実務上の処理ポイントや、税務対応で注意すべき点を解説します。

「発生主義」と「現金主義」の違いを理解する

会計処理には、主に「発生主義」と「現金主義」という2つの考え方があります。

発生主義とは、実際に現金を支払った日ではなく、サービスの提供や物品の購入など、費用が発生したタイミングで計上する方法です。企業会計ではこの考え方が基本とされており、期間ごとの損益を正確に把握しやすくなります。

一方、現金主義は、現金の支払いや入金があったタイミングで計上する方法で、小規模事業者などで採用されることがあります。

年度またぎ経費については、発生主義を前提に考えると、精算や支払いが翌年度であっても、費用が発生した年度で計上するのが原則となります。

法人の場合の会計処理ポイント

法人の場合、年度またぎ経費は決算時点での処理が重要になります。年度末までに精算が完了していない経費であっても、費用がすでに発生している場合は、決算時に「未払金」として計上します。その後、翌年度に実際の精算や支払いを行った際は、未払金を減少させる処理を行います。

例えば、3月25日に出張を実施し、交通費および宿泊費として合計45,000円の費用が発生したとします。出張自体は年度内に行われていますが、精算申請および会社からの支払いが翌年度の4月となってしまった場合、決算時および翌年度の仕訳例は以下の通りです。

▼決算時(3月末)の仕訳

借方

金額

貸方

金額

旅費交通費

45,000円

未払金

45,000円

▼翌年度、精算・支払時の仕訳

借方

金額

貸方

金額

未払金

45,000円

現金

45,000円

税務上の注意点と経理部門が確認すべき書類

税務上も、経費をどの年度で計上するかは重要なポイントです。処理を誤ると、税務調査での指摘や追徴課税のリスクがあります。そのため経理部門では、年度またぎ経費について、証拠となる書類や日付を丁寧に確認する必要があります。

具体的には、領収書や請求書に記載された日付を確認し、費用が実際に発生した時期を把握することが大切です。あわせて、支払日や精算日がいつなのかを整理し、会計処理との整合性を取ります。

出張費などについては、出張申請書や承認記録がそろっているかも確認しておくと、監査や税務調査への対応がスムーズになります。

年度またぎの経費精算が発生しないようにする対策

年度またぎの経費精算は、個人の申請遅れだけでなく、社内の仕組みや運用が原因で発生することも少なくありません。

ここでは、年度またぎを防ぐための具体的な対策をご紹介します。

締切スケジュールを明確化する

年度またぎを防ぐためには、経費精算の締切スケジュールを明確にし、全社で共有することが重要です。通常の月次締切と年度末の締切は分けて設定し、「いつまでに申請が必要なのか」「遅れた場合はどうなるのか」を具体的に示しておくと、申請漏れを防ぎやすくなります。

あわせて、出張や会議・会食など、年度末に発生しやすい経費については、通常より早めの申請を促すルールを設けるのも有効です。

締切を明確にすることで、申請者・承認者・経理のいずれにとっても対応がしやすくなり、結果として年度またぎの発生を抑えることにつながります。

月末や事業年度末に近づいたときに社内に呼びかける

締切を設定していても、忙しさから申請が後回しになってしまうことは少なくありません。そのため、月末や事業年度末が近づいたタイミングで、社内に向けて定期的に呼びかけを行うことが効果的です。

メールや社内チャットで「未申請の経費はないか」「年度内に精算が必要なものはないか」を確認するだけでも、申請漏れの防止につながります。

特に年度末は出張や会議・会食が集中しやすいため、早めかつ複数回の周知を行うことで、年度またぎの発生を抑えることができます。

経費精算システムを導入して経費精算の申請手続きを楽にする

年度またぎを防ぐには、申請そのものの負担を減らすことも重要です。経費精算システムを導入することで、申請・承認・経理処理を一元化でき、申請漏れや遅れを防ぎやすくなります。

例えば「ビズバンスJTB経費精算」を活用すれば、出張費や立替経費の申請・承認をオンラインで完結でき、申請時の入力負担を軽減できます。交通系ICカード連携やAI-OCRによる領収書読み取りにより、手作業による入力や転記の負担を抑えることができる点も特徴です。

さらに「ビズバンスJTB経費データ連携」を併用することで、出張予約データやカード利用明細などの各種経費データを自動で連携でき、記載ミスや申請漏れを防止できます。

申請から経理処理までの流れをスムーズにすることで、経費精算の遅れを防ぎ、年度またぎ経費の発生防止にもつながります。

年度またぎの経費精算に関するよくある質問

年度またぎの経費精算については、実務上よく疑問が生じるポイントがあります。

ここでは、計上のタイミングや申請方法など、経理担当者や従業員からよく寄せられる質問を解説します。

Q1. 年度をまたいだ経費はどちらの年度で計上すべき?

年度をまたいだ経費は、原則として費用が発生した年度で計上します。ポイントは支払日ではなく、費用が実際に発生した日に着目することです。

例えば、3月31日に納品やサービス提供が行われた場合、決算上は3月分として計上します。支払いが4月10日になったとしても、費用の計上年度は3月として処理するのが正しい方法です。

Q2. 翌年度に申請しても経費として認められる?

翌年度に経費を申請した場合でも、領収書や請求書などの証憑によって、前年度に発生した費用であることが確認できれば、前年度費用として計上することが可能です。

ただし、決算が確定した後に処理を行う場合、経理上の対応が煩雑になり、修正仕訳や追加確認が必要になるため、申請はできるだけ年度内に行うほうが適切です。

申請が遅れると、会社側では経理負荷が増加し、場合によっては決算の訂正が必要になることがあります。個人にとっても、精算の遅れによる立替金返金の遅延や、社内規程によって申請期限を過ぎた経費は原則として認められない可能性があり、信頼低下や注意・指導につながるリスクがあります。

Q3. 年度をまたいだ旅費・交通費はどう扱う?

旅費や交通費も、原則として発生日ベース(実際に利用した日)で計上します。

例えば、出張が3月31日から4月2日にかけて行われた場合、3月31日の利用分は当期の経費として計上し、4月1日・2日の利用分は翌期の経費として計上するのが適切です。

こうすることで、期間ごとの損益や予算管理の正確性を保ちながら、年度またぎの経費処理を行うことができます。

まとめ

この記事では、年度またぎの経費精算の基本やリスク、会計・税務上の考え方、実務上の対応方法について以下の内容を解説しました。

  • 年度またぎの経費精算とは、費用が発生した年度と精算や支払いの年度がずれるケースを指す
  • 年度末の出張費、備品購入、会議・会食費などで年度またぎが発生しやすい
  • 年度をまたぐと、会計上の数字がずれたり、経理担当者の作業負荷が増えたり、監査や税務調査での対応に手間がかかるほか、精算の遅れによって従業員への返金が遅れるなどの不利益が生じる
  • 未精算の経費は「未払金」として決算に計上し、翌年度の精算時に処理する
  • 年度またぎを防ぐためには、締切の明確化や社内周知、経費精算システムの活用が有効

年度またぎ経費は、処理を誤ると経理業務や決算対応に大きな影響を与える可能性があります。経理担当者だけでなく、申請者も含めた社内の仕組みやルールを整備し、申請漏れや処理遅延を防ぎ、正確な会計・予算管理につなげることが重要です。

株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ』では、出張費などの経費精算を効率化するソリューション「ビズバンス」シリーズを提供しています。出張申請から承認、予約、経費精算までを一元管理できるため、申請漏れや年度またぎの発生を抑えつつ、業務効率やガバナンスの向上にも役立ちます。

年度またぎ経費の発生防止や出張管理の効率化を検討している企業さまは、ぜひ活用をご検討ください。

編集部
編集部
出張管理・経費精算の「ビズバンスJTB出張予約」「ビズバンスJTB経費精算」「ビズバンスJTB経費データ連携」のトータルソリューションを提供。業務課題を目的とした豊富なツールとプロのコンサルティングで効果分析や運用改善をサポートしています。25年という実績を活かし、経理や人事のバックオフィス業務をはじめとするビジネスに役立つ情報を更新しています。

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