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経費精算DXとは? 成熟度を4段階で解説

近年あらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。コロナ禍によるリモートワーク導入が進んだ影響で、コストを削減し、より効率的な業務を実現するDXへの意識が浸透してきました。

しかし、DXに取り組みたいと思いながら、どう推進すればよいか分からない企業様も多いのではないでしょうか?

実際に、現在の日本はDXが進んでいるとは言えません。株式会社帝国データバンク「DX 推進に関する企業の意識調査」(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220105.pdf)では、DX を理解し取り組んでいる企業は 15.7%と7社に1社程度となり、半数を超える企業でDXへの取り組みが進んでいない現状が浮き彫りとなりました。

本稿では、DX推進の第一歩となる経費精算DXについて4つの段階に分けて解説します。自社の現在の段階をご認識頂き、ステップアップによってどのようなメリットが得られるのかご説明します。

目次[非表示]

  1. 1.経費精算はDX推進の第一歩
  2. 2.ペーパーレス化で満足していませんか?経費精算DXの成熟度4段階
    1. 2.1.レベル1 紙・アナログ
    2. 2.2.レベル1で残る課題
    3. 2.3.レベル2 暫定システム化
    4. 2.4.レベル3 デジタル化・ペーパーレス化
    5. 2.5.レベル4 DX化
  3. 3.立替精算をなくし経費精算業務を効率化した成功事例
    1. 3.1.すべての経費精算はもとより、月150件の出張旅費の精算にかかる工数も大幅削減!出張者の立替精算もなくなりました。|株式会社グループセブ ジャパン
  4. 4.経費精算DXを一段上に進める「J’sNAVI NEO」とは
  5. 5.まとめ

経費精算はDX推進の第一歩

経費精算はどの企業にも存在する間接業務であり、それ自体が売上を生むわけではありませんが、従業員が必ず実施しなければならない業務の1つです。そのため、人数が多い企業になればなるほど、経費精算を効率化することによって、会社全体の生産性向上に対するインパクトが大きくなります。
中小企業庁の「中小企業白書」によると、財務・会計部門にシステムを導入した結果、「期待した効果が得られている」「ある程度の効果が得られている」と回答した企業が7割を超え、他の業務領域へのシステム導入と比べて最も効果が得やすいということが分かります。


※出典:中小企業庁「中小企業白書」(第2-4-3図「業務領域別の IT 導入比率」)https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H30/PDF/chusho/04Hakusyo_part2_chap4_web.pdf

経費精算のDX化は生産性向上に最も有効なDX推進の第一歩であり、企業が優先的に着手するべき分野の一つだと言えます。


ペーパーレス化で満足していませんか?経費精算DXの成熟度4段階

では、経費精算のDX化に取り組んでいる企業の割合は実際どの程度あるのでしょうか。
株式会社MS-Japan「進まぬ日本のDX 経費精算システムの導入率は約47%」(※マネジー調べhttps://www.manegy.com/)によると、半数以上の企業が紙・エクセルによる経費精算を行っており、外部の経費精算システム導入している企業は3割に満たないという結果になりました。

またシステムを導入している企業様もペーパーレス化を実現できたことで満足していませんか?経費精算のDX化には4つの成熟度レベルがあります。成熟度レベルが上がるほど業務効率化・コスト削減の効果が大きくなり、生産性の向上につなげることができるでしょう。

そこで、ここからは各レベルの経費精算方法で解決できること、課題になることについて解説します。ぜひ、自社の経費精算業務がどのレベルにあるのかをご確認いただき、次の段階へステップアップするための手がかりにしていただければと思います。

レベル1 紙・アナログ

自動化はされていませんが、多少の仕組み化がされている状態です。未だに日本の半数近くの企業が、手書きやExcelで作成して印刷するなど、紙を利用したレベル1の経費精算方法を行っています。

レベル1において解決できること

経費使途の透明化が進む

申請制にすることで小口現金を廃止し、経費の利用や使途についての履歴が残ります。そのため、不透明な支出をなくし、不正防止につながります。

レベル1で残る課題

1. 経理担当者の業務負担が大きく、処理が完了するまでに時間がかかる

経理担当者が1つずつ提出書類を確認する手間が発生し、負担が大きくなります。また、経理担当者が不在の場合に、申請書類の受取や経費精算処理などが遅れ、完了するまでに長く時間がかかってしまいます。

2. 計算ミスのリスクがある

一つ一つ手作業で経理担当者が処理するので、処理する数が増えるほど、計算ミスのリスクが高まります。特に従業員数が多い企業ほど、処理する書類の数も多くなり、よりミスのリスクが高まることが考えられます。

3. 帳票の印刷とコストがかかる

紙を使った申請書には、印刷費と紙代が発生します。特に営業職が多い会社では、交通費申請など、申請数が多くなりコストが掛かります。また印刷した帳票の保管スペースの確保や管理コストなども発生します。

4. 差戻しによる業務への影響がある

提出書類にミスがあり、紙での差戻しが多くなると、書類の紛失のリスクが高まります。また、手作業での修正には時間がかかるため経費精算処理がさらに遅れてしまいます。

レベル2 暫定システム化

押印廃止やシステム上でのワークフローが構築され、少しだけ業務効率化が進んだ状態です。特に、2020年にコロナ禍でのテレワーク導入が進んだことにより、脱押印の流れは加速しています。

レベル2において解決できること

精算処理完了までの時間が短縮できる

ワークフローが構築され、印刷や押印が不要になったことで、レベル1の紙ベースでの運用と比較すると申請や承認がスムーズになります。それにより、経費精算処理が完了するまでの時間を短縮することができます。

レベル2で残る課題

アナログな申請方法が残り、業務効率化の影響範囲が狭い

ワークフローの電子化により申請や承認がスムーズになったとはいえ、エクセルなどを使ったアナログな申請方法では、経理担当者が書類を確認する手間は変わりません。そのため、レベル1からわずかに経費精算処理の時間が短縮することに留まり、経理担当者の負担は残ってしまいます。

レベル3 デジタル化・ペーパーレス化

経費精算システムを導入し、ワークフローの構築のほか、会計システムなどデータ連携ができる状態が、レベル3のデジタル化・ペーパーレス化です。

2022(令和4)年1月に、ペーパーレス化の促進を目的とした改正電子帳簿保存法が施行されました。電子データで受領した書類については原則電子保存が必須となるので、紙の帳票の管理コストや業務プロセスの効率化が期待できます。また、その他帳簿書類についても電子で保存するための事前申請が不要になります。ただし新たに罰則規定が追加されるため、法律違反にならないよう運用ルールを整備しておくことが求められます。
なお、令和4年度の税制改正大綱において、電子取引の電子保存義務化については、2023(令和5)年12月31日まで2年間の猶予期間が設けられました。

▶ 電子帳簿保存法の詳しい解説はこちら

レベル3において解決できること

1. 業務効率向上と人為ミスの防止

経費精算ツールを導入することで、承認ワークフローやアラートが自動化され、業務時間の削減および人為ミスの防止やガバナンスの強化につながります。

2. 管理がしやすく、コスト削減につながる

ペーパーレス化することで、紙での申請で発生していた印刷費を削減することができます。また、経費精算関連書類の保存をシステム上で行うことができるため、保管コストも削減できます。

3. 出社不要で申請ができ、アラート機能で差戻を削減

従業員は領収書をクラウドにある経費システムにアクセスして、スマートフォンなどで領収書をアップロードすることで、出社する必要なく申請することができます。また、アラート機能により申請時点で不備に気付く仕組みになっているため、提出後に差戻される可能性を減らすことができます。

4. 目的の書類を素早く検索できる

紙で書類を保存する場合には、管理の手間がかかります。また、管理を徹底していたとしても目的の書類を探し出すために、ある程度の時間が必要です。しかし、ペーパーレス化することで、データで検索することができ、素早く見つけることが可能です。

レベル3で残る課題

1. ITリテラシーに応じた社員教育が必要になる

経費精算システム導入直後に、社員に使い方を教える必要がありますが、個人のITリテラシーによって理解度も大きく違ってきます。そのため、個人のITリテラシーに合わせた社員教育が必要になります。

2. 導入費用がかかる

経費精算システムを導入するためには、当然、導入費用が発生します。かなりの費用がかかる場合もありますが、得られる効果も大きいため、企業の実情に合ったシステムを選定して導入する必要があります。

レベル4 DX化

レベル4のDX化とは、レベル3の経費精算処理のペーパーレス化に加えて、コーポレートカードの利用や出張手配システムと連携し、社員の立替精算をゼロにする仕組みが構築されている状態です。

レベル4において解決できること

1. 経費の立替がなく、社員の金銭的・業務的負担を軽減できる

立替精算では、出張時のチケット手配や出張先で発生する費用が高額になりやすく、社員の負担になることがあります。また社員の立替負担を軽減するために事前に仮払金を渡している企業もありますが、仮払金で金銭的な負担が軽減できても、経理担当者の出納管理、当該社員の事前申請等の業務負担の発生は避けられません。
しかし、申請~精算、出張手配まで一気通貫な対応ができ、かつチケット代金が会社への一括請求となるシステムを利用すれば、社員の立替負担の軽減し、出張時の手続きの手間を削減することが可能です。

2. 業務を削減することで社員の生産性アップにつながる

立替精算や仮払いが発生しないことで、これまでの面倒だった申請や確認作業がなくなり、申請者、承認者、経理担当者それぞれが本来の業務に集中できるようになり、業務の生産性アップにつながるでしょう。

立替精算をなくし経費精算業務を効率化した成功事例

経費精算システムを導入することで、ビジネス上の課題解決につなげた事例を紹介します。

すべての経費精算はもとより、月150件の出張旅費の精算にかかる工数も大幅削減!
出張者の立替精算もなくなりました。
|株式会社グループセブ ジャパン

​​​​​​​株式会社グループセブ ジャパン様

同社ではこれまでExcelで行ってきた経費精算をJ’sNAVI NEOの導入によってシステム化し、月間150件ある出張旅費精算をはじめ、経費精算業務全体の効率化を実現した事例です。

課題

  • Excelのフォーマットを使用していたため、申請内容の入力が全て手作業だった
  • Excelの記入方法にブレや入力漏れがあり、正確性・統一性に欠けていた
  • 申請内容のチェックや会計システムへの転記に膨大な時間と手間がかかっていた

効果

  • ・実績データの連携により、出張者が詳細を手入力する必要がなくなった
  • チケット代金の会社一括請求により、出張者の立替の負担がなくなった
  • 実績データ連携や経路探索ソフトの連携により、申請内容のチェックが不要になった

▶ 導入事例詳細はこちら


経費精算DXを一段上に進める「J’sNAVI NEO」とは

ここまで各経費精算レベルで解決できること、残る課題について解説してきました。経費精算のDX化をより効果的に進めていただくためにも、経費精算システムの検討の際には、ぜひ立替精算や出張関連業務も見直ししてみてください。

JTBグループが提供する「J’sNAVI NEO」は、あらゆる経費精算に加え、出張時のチケット手配~精算の効率化と出張コストも削減できるオールインワンの経費精算システムです。一般経費や交通費、交際費などの経費精算のペーパーレス化はもとより、社員と経理の負担が大きな出張時の立替え・仮払い・突合作業をなくすことができます。

J’sNAVI NEOの導入メリット

J’sNAVI NEOには、従来の経費精算システムとは違った3つのメリットがあります。

  • 複雑な承認ワークフローも社内規定に合わせてカスタム設定できる
  • 出張手配管理機能で、立替え精算をなくせる
  • 法人割引チケットで出張の直接コストを削減できる

J’sNAVI NEOで手配したチケット代金は会社に一括請求され、社員の立替え負担をなくすことが可能。立替えがなくなることにより、現金の用意や受け渡しも不要になるため、経理担当者の業務効率化にもつながります。



まとめ

ここまで経費精算DXの4つの成熟度レベルについて解説してきました。貴社の経費精算DXのレベルをご認識頂き、次の段階へステップアップするための手がかりとなったでしょうか?
経費精算は煩雑な作業が多く社員にも経理部門にも業務負荷がかかっています。特に立替精算は、金額が大きくなるほど一時的に支払う社員の負担が大きくなり、また経理部門も精算内容のチェックに細心の注意を払わなければなりません。
立替や仮払いをなくし社員の業務効率化を実現する経費精算システム「J’sNAVI NEO」で経費精算のDX化を進めてみませんか?

▶ 経費精算システム「J’sNAVI NEO」を詳しくみる

編集部
編集部
経費精算システム「J'sNAVI NEO」編集部 経費精算や出張管理業務の効率化を追求してきた20年の実績を活かし、経理や人事のバックオフィス業務をはじめとするビジネスに役立つ情報を更新しています。

資料

▼経費精算のガバナンス向上のためのポイント3選

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