教えて!海外宿泊費用の立替をなくす方法と手配の効率化
JTBビジネストラベルソリューションズ(以下JTB-CWT)の取扱実績において、海外ホテルの平均単価は23年12月掲載WEBマガジン「海外航空券 チケット代金高騰の中で企業として必要な準備」でご紹介した海外航空券の平均単価と同様に上昇していることがわかります。海外ホテルの従業員の雇用や衛生維持にかかるコストの増加、また円安や世界大都市圏でのインフレーションが要因といえそうです。このような状況の中、安価なホテルの検索に苦労している、ホテル代の立替が負担となっている、といった企業や出張者も多いのではないでしょうか。今回は立替による負担が増えたことが想定される海外出張時のホテル利用について、企業が準備すべきポイントや当社ソリューションを取組事例と合わせてご紹介します。
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海外ホテル手配に関するよくあるご相談
このような状況において、JTB-CWT契約企業からはコスト適正化以外にも、出張手配フローの改善、出張経費精算の効率化など様々なご相談をいただいております。
- 海外ホテル手配が出張者の立替精算となっており、負担を与えてしまっているので立替不要のホテル精算ができないか知りたい
- 土地感がない渡航先で安全安心なホテルを選定する方法を知りたい
- 旅行代理店へホテル手配を依頼しているが、回答待ちによるタイムラグの解消、営業時間外の対応方法がないか知りたい
- ホテル代金が値上がりしている影響で現在の規定ではこれまでと同様のホテルに宿泊できない
企業として準備すべきポイント
以上のようなご相談・お悩みがある中、企業においては以下のような準備・対応が必要ではないでしょうか。
海外ホテル 宿泊上限金額の見直し
コロナ禍以前に都市毎の宿泊上限額を規定またはガイドラインで設定している場合、出張先で利便性が高いエリア内の一定水準以上のホテルでは、上限金額内の空室がないケースが増えています。そのため、現在の出張実績やマーケットの都市別の宿泊単価を元に、海外ホテルの宿泊上限金額を見直しする企業も出てきております。JTB-CWTでは、企業ごとの宿泊実績詳細・マーケット(※JTB-CWT取扱全顧客)の都市別宿泊単価といった参考データを提供し、企業の上限金額見直しの支援が可能です。
上限金額の見直し後は、その上限額内でホテルの予約・利用がなされているか、チェックをする仕組みも考える必要があります。
出張者への安全配慮義務
感染症対策など一定の安全・衛生基準を満たすホテルを推奨ホテルとし、それらのホテルを出張者が予約できる環境を用意することが安心安全への配慮として企業に求められています。具体的には、安心安全に定評のあるチェーンホテルを利用することが望ましいと考えられます。出張の多い都市ごとに、企業として推奨するホテルをリスト化→周知し、旅行代理店と連携して推奨ホテルリスト内のホテルを予約していく仕組みが必要ではないでしょうか。
オンラインブッキングツール“Cytric”で、いつでも・安く・規定に沿った手配を
旅行代理店にホテルの予約を依頼する場合、検索にかかる手間や時間がなく、安心安全なホテルが一定のレベルで担保されるというメリットがあります。一方で、旅行代理店の営業時間外である夜間や土日祝日は予約を行うことができず、その間にホテルの空室が埋まってしまうという可能性もあります。
オンラインブッキングツールCytricは、ご自身のタイミングで「24時間いつでも」「安く」「早く」手配をすることが叶います。またCytricに事前に旅費規程を設定することで、出張者に対して規定に沿った手配への誘導が出来るため、ガバナンスの強化につながるだけでなく、Cytric導入をきっかけにホテル手配の一元化が実現します。ホテル手配の実績データが集約されれば、適切な宿泊上限の設定見直しや有事の際に活用頂くなど様々なメリットにつなげることが出来ます。
“Hotel Billback”で出張者のホテル代金立替精算をゼロに
出張者の経済的負荷や経理担当者の領収書管理・出張者への返金などの経費精算業務による負荷を軽減するために、出張者による海外ホテル代金の立替は極力ゼロにしていくことが望ましいのではないでしょうか。Cytricの付帯サービスとして決済ソリューション“Hotel Billback”を導入することで、海外ホテル代金も航空券同様に旅行代理店からの会社請求とすることができ、出張者によるホテル代金の立替ゼロを実現します。
立替をなくすことは、出張者の金銭的負担をなくすだけでなく、精算時の領収書添付も不要となります。また、経理担当による領収書のチェックも不要となり、企業全体で大きな業務改善・間接コストの削減となり得ます。
“Hotel Billback”利用時の予約~精算までの流れ
JTB-CWTで“Hotel Billback”を導入したお客様の事例
ここからは弊社で実際にCytricならびに“Hotel Billback”を導入いただいた弊社お取引企業A社様の事例をご紹介します。
背景と導入の目的
- 海外ホテルの高騰を受け、やむを得ず規定額超過したホテルに泊まる出張とその相談が多くなった事から、規定の見直し要否を検討したい。
- アフターコロナで久しぶりに海外出張に行く社員も増えるいっぽう、世界情勢も不安定なので社員に安心して出張に行かせたい。具体的な安全配慮義務対策および安心な手配・危機管理に根差した法人サービスが必要。
- 宿泊規定があるものの、出張者ごとに様々な宿泊予約サイトで予約を行っており、上長や経理担当者も一定のチェックは行うものの出張者判断が通ることもあり、社内規定遵守およびガバナンスがワークしていなかった。
- 出張者による宿泊費立替金額が高く、従業員の経済的負担になっていた。特に渡航頻度や泊数の多い出張者の立替による経済的負担は大きく、経理担当者も個人への振込処理件数も多く煩雑であった。
- 宿泊費の領収書が各人よりバラバラに提出されるため、経理担当者は各国様々なフォームの目視チェック、円建てレート計算の手間、そもそも領収書の添付が漏れていることによるワークフロー上の差し戻しといった修正対応が負担となっていた。
実施内容
“Hotel Billback”導入
企業へヒアリングを実施し、現状と課題の整理、目的のあぶり出しを行い、導入に当たっては企業に適した設定を策定しました。
効果
宿泊上限額といった規定見直しは一旦静観に
お客様との協議の結果、まずは“Hotel Billback”に一定の上限額設定や規定チェック制御を設けることで、導入後の宿泊費推移を分析し、サービスイン後の購買データを可視化することで、本当に規定上限額の見直しが必要か静観していくこととなりました。
管理者の感覚論などの主観にとらわれて慌てて上限額の安易な引き上げを行わずに済んだことはお客様から感謝いただきました。
安全配慮義務の向上が実現
第3者である旅行代理店の法人サービスを導入し、システムとホテルプログラムを通じた予約が実現することで、出張者の購買行動の可視化と、データ集約が実現することで、万が一の有事の際も、当該方面に社員が出張していないかといった確認をタイムリーにお客様管理者で行うことが可能になりました。これにより安否確認はじめとした安全配慮義務の一定の向上が叶うと評価いただけました。
宿泊規定遵守の向上
“Hotel Billback”には、都市別役職別に応じた宿泊額の上限設定、企業がお持ちのホテル法人契約の反映、さらには規定外ホテルを手配した場合のリーズンコード管理といった個人自由購買に比べると一定の規定反映と管理が行えることを評価いただけました。
これにより、規定内外での手配状況の分析をより明瞭に行えることとなりました。
宿泊費立替や領収書提出の負担減
ホテルフロントでのチェックイン、チェックアウトも基本的にネームチェックインのみとなって、支払は不要となりました。以前に比べてストレスフリーで快適な出張になったし、帰着後の精算懸念も減ったと評価いただきました。
また領収書も不要となったので、紛失リスクや提出の手間、経理担当者の処理負担が減ったと出張者だけでなく間接業務部門の方にも好評いただいています。
まとめ
本コラムでは、コロナ禍からの回復が進み海外出張が復調してきている現在、高騰している海外ホテル宿泊に対し、企業として見直すべきポイントと取組事例をご紹介しました。また、ホテル手配における効率化、立替による経済的負担を最小化するソリューションとして、CytricならびにHotel Billbackもご紹介させていただきました。いずれも、導入いただいた企業様には好評を博しているサービスとなります。
出張者の利便性に限らず、バックオフィスの間接業務コスト削減や時短、企業の安全配慮義務やガバナンス強化も実現しますので、是非自社の海外ホテル宿泊予約の見直しを始めてみてはいかがでしょうか。