経費精算業務をIT化するために 押さえておきたいポイント
今はどんな業務もIT化が進んでいますが、経費精算業務についても、紙の書類がなくなるなどのIT化が進んでいます。
今回は、経費精算業務をIT化することのメリットとデメリットや、経費精算業務を効率化する「経費精算システム」を選ぶポイント、コスト面の課題を解決する「IT補助金制度」の概要など、経費精算業務をIT化する際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.経費精算業務のIT化が進む背景
- 2.経費精算業務をIT化するメリット
- 2.1.経費精算システムの導入により、様々なデータ連携を実現
- 2.2.経費精算における手間の削減
- 2.3.申請・承認作業の負担軽減
- 2.4.不正な申請を防止
- 2.5.すべてのデータの一元管理が可能
- 3.経費精算業務をIT化するデメリット
- 4.経費精算システムを選ぶポイント
- 4.1.自社の導入目的を明確化する
- 4.2.自社にマッチした機能を備えているか
- 4.3.経理担当者以外にも導入メリットがあるか
- 5.経費精算システム導入の手順
- 5.1.目的や必要性の確認
- 5.2.システム選定
- 5.3.システム導入計画の策定
- 5.4.システム導入
- 5.5.システムの運用・保守
- 6.IT導入補助金制度について
- 7.まとめ
経費精算業務のIT化が進む背景
経費精算業務といえば、領収書や金額のデータ入力などの、紙やExcelの処理が一般的でしたが、昨今は、経費精算システムを導入するなどの対応でIT化する企業が増えています。
その背景として、クラウドやスマホ、交通系ICカードなどの普及があります。これにより、クラウド環境で構築する経費精算システムの導入や、経費精算システムそのもののスマートフォン連携およびスマートフォンアプリ化、交通系ICカードとの連携などが進んでいます。
経費精算業務をIT化するメリット
経費精算業務をIT化すると、業務としてさまざまなメリットが生まれます。
経費精算システムの導入により、様々なデータ連携を実現
経費精算のすべての業務をIT化するというと、難しいイメージがあるかもしれませんが、IT化は経費精算システムを導入することで簡単に行えます。
経費精算システムの主な機能は、ルート検索におけるデータ連携、交通系ICカードとの自動連携、経費申請・承認機能、会計ソフトとのデータ連携、スマートフォン連携・利用、不正チェック機能など。その他にも多様な機能を備えています。
経費精算における手間の削減
IT化すると、従来、経費精算業務にかかっていた、領収書の手入力の手間が削減できるなどの効果が期待できます。
申請・承認作業の負担軽減
例えば出張経費の場合、出張前に出張に行く社員が上長に申請し、承認を得るために紙の申請書を扱う必要がありましたが、IT化すればパソコン上で申請・承認作業ができるので、双方の負担が軽減します。
不正な申請を防止
IT化により、システム側で不正な申請が自動的に弾かれる仕組みにしておけば、不正を未然に防止できます。
すべてのデータの一元管理が可能
経費精算システム導入で、必要なデータを一元管理すれば、経理担当者が管理しやすくなります。
経費精算業務をIT化するデメリット
一方で経費精算業務のIT化にはデメリットもあります。
システムの操作が難しいと、逆に手間が増えてしまう
経費精算システムを導入しても、そのシステムのユーザビリティーが低く、操作が難しい、使いにくいといったものであれば、逆に手間が増えてしまいます。
システムの導入・運用にコストがかかる
経費精算システムの導入、運用は、それなりにコストがかかります。このことから、経費精算システムを実際に運用する際に、手間やコストを従来の方法よりも削減できるものを選び、投資したコスト以上に効果を出すことが求められます。
経費精算システムを選ぶポイント
以上のことから、経費精算業務のIT化は、経費精算システム選びによって、成果は大きく変わってくることがわかります。そこで、成果を出すための、経費精算システムを選ぶポイントをご紹介します。
自社の導入目的を明確化する
まず自社の導入目的を明確化して、それが実現できる経費精算システムを選ぶことが欠かせません。ただ「高機能だから」「人気のシステムだから」などの理由から選ぶのではなく、自社の目的から選ぶことが最も重要です。
自社にマッチした機能を備えているか
その経費精算システムは自社に合っているでしょうか? ITリテラシーの高低に関わらず操作できそうか、不要な機能が多すぎることはないかなど、システム選びには、自社にマッチした最適なものを選ぶことが肝心です。
経理担当者以外にも導入メリットがあるか
経理業務の効率化だけではなく、全社的な導入メリットがあるかどうかも確認しておきましょう。経営層にとって判断材料となるデータをすばやく把握できるかどうか、マネジメント層にとって承認時のチェック負荷を軽減できるかどうか、利用者にとって見やすいインターフェイスかどうか等、総合的に判断することが重要です。
経費精算システム導入の手順
実際に経費精算システムを導入する場合、一般的に以下のような手順で進めます。
目的や必要性の確認
まず、経費精算システムを導入する目的や必要性を確認します。社員の経費精算業務の効率化や精度向上、コスト削減など、目的を明確にすることが重要です。
システム選定
次に、導入するシステムを選定します。選定の際には、自社に必要な機能や使いやすさ、セキュリティ対策などといった点を考慮する必要があります。
システム導入計画の策定
システム導入に向けて、具体的な計画を策定します。スケジュールや予算、担当者の役割分担などを明確化し、スムーズな導入を目指します。
システム導入
システムのインストールや設定、データの移行などを行い、システムが正しく動作するよう準備します。また、社員に対してシステムの使用方法などを教えることも必要です。
システムの運用・保守
導入後は、システムの運用・保守も必要となります。システム障害や不具合が発生した際には、迅速に対応・修正しなければなりません。
IT導入補助金制度について
経費精算のIT化に伴うコスト面の課題については、解決策として「IT導入補助金」制度を活用する方法があります。
特に中小企業・小規模事業者が経費精算システムを導入する際はおすすめの制度です。
「IT導入補助金」制度とは、経済産業省が中小企業・小規模事業者等が、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する際の経費の一部を補助する制度で、企業・事業者等の業務効率化・売上アップをサポートするものです。補助は、導入コストの最大1/2です。
補助対象者は、中小企業・小規模事業者等(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)で、補助対象経費はソフトウェア費、導入関連費等であり、経済産業省のIT導入補助金のサイトで公開予定のITツールである必要があります。
まとめ
経費精算業務のIT化は、自社の導入目的を明確化し、導入後の運用方法まで計画した上で進めることが大切です。
また、特に出張が多い会社は、チケット手配機能が付いた経費精算システムを導入することで、さらに大きなコスト面、効率面でのメリットが見込めます。
自社に合った経費精算業務のIT化で、確実な業務効率化を目指しましょう。