経理×AIで業務効率化|自動化できる領域と人に求められるスキルを解説

近年、AIやクラウドツールの普及、法制度の改正、キャッシュレス化の進展などを背景に、経理業務を取り巻く環境は大きく変化しています。これまでのように、領収書を確認して入力・精算するだけでは対応しきれず、業務の効率化やガバナンス強化、さらには経営判断を支える役割まで求められるようになりました。

一方で、「どこまでをAIに任せ、どこからを人が担うべきなのか」「現代の経理担当者にはどのようなスキルが必要なのか」といった点に悩む企業も少なくありません。

この記事では、現代の経理業務がどのように変わってきたのかを整理した上で、AIで自動化できる業務・難しい業務の違いや、これからの経理担当者に求められるスキルについてご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.現代の経理業務はどう変わった?
    1. 1.1.AIの進化
    2. 1.2.法制度・制度変更による対応
    3. 1.3.キャッシュレス化と出張手続きのデジタル化
    4. 1.4.クラウド経費精算ツールの定着
  2. 2.AIで自動化できる経理業務・難しい経理業務
    1. 2.1.AIで自動化できる領域
    2. 2.2.AIでも代替が難しい領域
  3. 3.経理担当者に求められる現代のスキル
    1. 3.1.システムを使いこなす「ITリテラシー」
    2. 3.2.データを扱う力「データリテラシー」
    3. 3.3.業務改善・プロセス設計力
    4. 3.4.ガバナンスと内部統制の理解
    5. 3.5.旅費・交通費管理の“全体最適”の視点
  4. 4.まとめ

現代の経理業務はどう変わった?

かつての経理業務は、紙の領収書や手入力を前提とした「処理中心の業務」が主流でした。しかし近年、テクノロジーの進化や働き方の変化、法制度の見直しを背景に、経理業務のあり方は大きく変化しています。

単なる記帳・精算にとどまらず、業務効率化やガバナンス強化、経営判断を支える役割まで求められるようになりました。

ここでは、経理業務の変化についてご紹介します。

AIの進化

AI技術の進展により、経理業務の自動化は大きく前進しています。

例えば、領収書や請求書を撮影・アップロードするだけで内容を自動で読み取り、勘定科目の候補を提示したり、仕訳まで自動生成したりすることが可能になりました。

これにより、多くの時間を要していた手入力や内容確認といった作業が大幅に削減され、経理担当者はチェックや例外対応、分析業務など、より付加価値の高い業務に注力できるようになっています。

法制度・制度変更による対応

電子帳簿保存法やインボイス制度の導入・改正などにより、経理担当者が対応すべき法制度は増加しています。

帳簿や請求書、領収書の保存方法や記載要件が厳格化されたことで、従来の運用を見直し、制度に即した業務フローを構築する必要が生じました。

単に処理を行うだけでなく、法令遵守の観点から社内ルールを整備し、適切な運用を継続することが、現代の経理業務において重要な役割となっています。

キャッシュレス化と出張手続きのデジタル化

クレジットカードや交通系ICなどのキャッシュレス決済の普及により、経費支払いの方法は大きく変化しています。これに加え、出張申請やチケット・宿泊の手配、経費精算までをオンラインで完結できる仕組みも広がりつつあります。こうしたデジタル化によって、紙の申請書や領収書を前提とした処理は減少しました。

一方で、決済データや申請情報を正確に連携・管理する必要が生じており、システム間のデータ確認やルールに沿ったチェックなど、経理担当者の役割はより高度化しています。

クラウド経費精算ツールの定着

近年、クラウド型の経費精算ツールが一般化し、多くの企業で導入が進んでいます。申請から承認、精算までを一元的に管理できるようになったことで、業務の効率化が大きく進みました。

同時に、申請内容や承認履歴を可視化しやすくなり、不正防止や内部統制の強化といったガバナンス面での効果も高まっています。

こうした環境の変化により、経費精算は単なる事務作業ではなく、業務改善や統制強化を支える重要な仕組みとして位置づけられるようになっています。

AIで自動化できる経理業務・難しい経理業務

AIの活用が進む中で、経理業務の多くが自動化されつつありますが、すべての業務をAIで置き換えられるわけではありません。定型的でルール化しやすい作業が効率化される一方で、判断や調整、責任を伴う業務は依然として人の関与が欠かせない領域として残っています。

ここでは、AIで自動化できる経理業務・難しい経理業務についてご紹介します。

AIで自動化できる領域

AIの活用が進むことで、経理業務の中でも定型化・ルール化しやすい領域は大きく自動化されています。例えば、領収書画像を読み取って経費データへ変換するAI-OCRにより、手入力の手間は大幅に削減されました。また、クレジットカード明細や交通系ICの利用データを自動で取り込み、内容に応じて仕分けや申請書を作成する仕組みも一般化しています。

さらに、旅費規程や社内ルールに照らした自動チェック、重複申請や上限超過を検知する不正検知機能などにより、確認業務の効率化も進んでいます。加えて、過去のデータをもとに勘定科目を推奨するAI仕訳機能によって、判断のばらつきを抑えながら処理スピードを高めることが可能になっています。

これらの領域では、AIを活用することで作業負荷の軽減と精度向上を同時に実現できるようになっています。

AIでも代替が難しい領域

AIによって多くの経理業務が効率化される一方で、人の判断や関与が不可欠な領域も依然として存在します。

例えば、経費規程や社内ルールの設計は、企業の方針や文化、事業特性を踏まえた判断が求められるため、AIによる一律の対応は困難です。また、決裁基準の運用や管理においても、状況に応じた柔軟な判断や責任の所在を明確にする役割は人が担う必要があります。

さらに、想定外のケースに対応する例外処理や、部署間での調整・情報共有といった業務は、背景や意図をくみ取るコミュニケーション能力や状況に応じた柔軟な対応が欠かせません。加えて、経費データをもとにした予算管理や経営判断に向けたレポート作成では、数字の意味を読み解き、経営に活かす視点が求められます。

こうした領域は、AIを補助的に活用しつつも、最終的な判断や責任は経理担当者が担うべき重要な業務といえます。

経理担当者に求められる現代のスキル

AIやクラウドツールの普及により、経理担当者に求められる役割は、単なる処理業務から業務設計や管理へと広がっています。その中で、ツールを使いこなす力やデータを読み解く力に加え、全体を俯瞰して最適化を図る視点が、現代の経理担当者にとって重要なスキルとなっています。

ここでは、経理担当者に求められる現代のスキルについてご紹介します。

システムを使いこなす「ITリテラシー」

クラウド経費精算ツールや会計システム、各種データ連携ツールが業務の基盤となる中で、経理担当者にはこれらを正しく操作し、実務に活かすITリテラシーが求められています。

単に入力作業を行うだけでなく、データの取り込み方法や連携設定、エラー発生時の原因把握などを理解することで、業務を滞りなく進めることが可能になります。

ツールの特性を踏まえて活用する力は、経理業務全体の効率や精度を左右する重要なスキルといえます。

データを扱う力「データリテラシー」

経理業務のデジタル化が進むことで、経費データや取引データは蓄積・可視化されやすくなっています。こうした大量のデータを正しく読み取り、傾向や課題を把握した上で、業務改善や意思決定に活かす力が、経理担当者にとって重要なスキルとなっています。

単なる数値の集計にとどまらず、「何が起きているのか」「なぜそうなっているのか」を説明できる視点が求められます。

業務改善・プロセス設計力

経理業務の効率化を進める上では、既存の業務フローを前提とせず、無駄や属人化している部分を見直す視点が欠かせません。

作業の重複や確認工程の過多といった課題を洗い出し、ツールやルールを活用しながら、より効率的でミスの少ないプロセスへと再設計する力が求められます。

業務改善・プロセス設計力は、日々の負担軽減だけでなく、組織全体の生産性向上にも直結する重要なスキルです。

ガバナンスと内部統制の理解

経理業務においては、効率化だけでなく、社内規程や法制度を遵守した適切な運用が求められます。経費規程や決裁ルール、関連法令を正しく理解した上で、業務プロセスが適切に管理・監査されているかを確認する役割は、経理担当者の重要な責務です。ガバナンスと内部統制への理解は、不正防止やリスク低減を支えると同時に、企業の信頼性を維持する基盤となります。

旅費・交通費管理の“全体最適”の視点

旅費・交通費管理においては、精算処理だけに目を向けるのではなく、出張申請や手配、支払い、精算までを含めた一連のプロセスを俯瞰する視点が重要です。

各工程を個別に最適化するのではなく、全体として無駄や手戻りが発生していないかを見極め、効率化とコスト管理を両立させる力が、現代の経理担当者には求められています。

まとめ

この記事では、現代の経理業務がどのように変化しているのか、そしてその変化の中で求められる役割やスキルについて、以下の内容を解説しました。

  • AIの進化や法制度の改正、キャッシュレス化、クラウドツールの普及によって、経理業務は「処理中心」から「管理・判断・改善」へと役割が広がっている
  • AIによって自動化できる領域と、人の判断や調整が不可欠な領域がある
  • 現代の経理担当者に求められるスキルには、ITリテラシーやデータリテラシー、業務改善力、ガバナンス理解、旅費・交通費管理における全体最適の視点がある

経理業務を取り巻く環境は今後も変化し続け、ツールや制度への対応力だけでなく、業務全体を設計・管理する力がより一層求められていきます。

日々の業務を見直しながら、AIやデジタルツールを上手に活用し、自社にとって最適な経理体制を構築していくことが重要といえます。

株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ』では、出張費や経費精算を効率化するソリューション「ビズバンス」シリーズを提供し、出張・経費精算に関わる業務の効率化と統制強化を支援しています。出張・経費管理を「全体最適」の視点で見直したい企業さまは、ぜひ活用をご検討ください。

編集部
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出張管理・経費精算の「ビズバンスJTB出張予約」「ビズバンスJTB経費精算」「ビズバンスJTB経費データ連携」のトータルソリューションを提供。業務課題を目的とした豊富なツールとプロのコンサルティングで効果分析や運用改善をサポートしています。25年という実績を活かし、経理や人事のバックオフィス業務をはじめとするビジネスに役立つ情報を更新しています。

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