
経費精算システム比較5選|必要性・メリット・選び方もまとめて解説
経費精算業務は、従業員による申請から上長の承認、経理部門での仕訳や振込処理まで、多くの工程が関わる煩雑な業務のひとつです。紙の申請書や表計算ソフトの運用を続けていると、ミスの発生や処理の遅延、確認作業の手間などが生じやすく、担当者の負担が大きくなりがちです。
そうした課題を解決する手段として注目されているのが『経費精算システム』です。しかし、「自社に必要な機能が分からない」「コストに見合う効果が得られるのか不安」といった理由から、導入に踏み切れない企業も少なくありません。
この記事では、経費精算システムの基本的な役割や導入によるメリット、システムを比較する際に押さえておきたいポイントについてご紹介します。
目次[非表示]
- 1.経費精算システムとは
- 2.経費精算システムの比較ポイント
- 2.1.自社が求める機能が備わっているか
- 2.2.自社に見合ったコストで導入できるか
- 2.3.電子帳簿保存法に対応しているか
- 2.4.自社の運用に合っているか
- 2.5.ペーパーレスに対応しているか
- 3.経費精算システムを比較!機能や価格はどう違う?
- 3.1.経費精算システムの比較表
- 3.2.1.ビズバンスJTB経費精算
- 3.3.2.楽楽精算
- 3.4.3.freee経費精算
- 3.5.4.マネーフォワード クラウド経費
- 3.6.5.ジョブカン経費精算
- 4.まとめ
経費精算システムとは
経費精算システムとは、従業員が立替えた交通費や出張費などの経費を申請・承認・精算する一連の業務を、デジタルで効率化するシステムです。
これまで手作業や紙で行っていた経費処理を自動化することで、申請ミスの削減や承認スピードの向上、経理部門の負担軽減が図れます。また、領収書の電子化や勘定科目の自動仕分けにより、ガバナンス強化にもつながるため、導入する企業が増えている注目のツールです。
経費精算システムの比較ポイント
多くの経費精算システムが提供されているなかで最適なツールを選ぶには、自社のニーズや業務フローにマッチするかを見極める必要があります。以下では、選定時にチェックしておきたいポイントを解説します。
自社が求める機能が備わっているか
経費精算システムを選定する際は、自社の業務フローや課題に合った機能が搭載されているかを確認することが大切です。例えば、交通系ICカード連携、領収書のスマートフォン撮影・自動読取、会計ソフトとの連携など、必要な機能は企業によって異なります。導入後のギャップを防ぐためにも現場の声を聞き、それに合致するシステムを比較・検討することが必要です。
自社に見合ったコストで導入できるか
経費精算システムを導入する際は、初期費用や月額料金が自社の予算や業務規模に対して適切かどうかを見極めることが大切です。料金体系は、従業員数や利用機能によって変動し、追加ユーザーやオプション機能により費用が増えるケースもあります。必要な機能とコストのバランスを見ながら、自社にとって無理のないプランを選べるかどうかを事前に確認することをおすすめします。
電子帳簿保存法に対応しているか
2024年から電子取引データの保存が義務化されているため、経費精算システムを選ぶ際は電子帳簿保存法に対応しているかを確認することが大切です。現在では多くのシステムが対応していますが、各システムの対応レベルや機能はさまざまです。そのため、スキャナ保存や電子取引データの保存、検索機能、タイムスタンプ付与など、法令に準拠した機能が備わっているかを事前に確認する必要があります。
自社の運用に合っているか
経費精算システムを選ぶ際は、自社の運用にあったカスタマイズができるかというのも確認しておきたいポイントです。システムにより、設定の自由度は異なるため、複雑な承認フローに対応できるか、日当の自動計算や申請・精算時のアラート表示を自社の運用に合う形で設定できるかなど、あらかじめ確認しておくことが大切です。
ペーパーレスに対応しているか
経費精算業務の効率化を図るうえで、ペーパーレス対応かどうかは重要な比較ポイントです。領収書の写真をスマートフォンで撮影し、そのまま申請に使える機能や、スキャナ保存に対応した仕組みがあると、紙の管理や郵送の手間を削減できます。
経費精算システムを比較!機能や価格はどう違う?
経費精算システムにはさまざまな種類があり、機能や料金体系もサービスごとに異なります。自社の業務に合った経費精算システムを導入するためには、複数のサービスを比較して検討することが大切です。ここでは、代表的な経費精算システムの特徴をご紹介します。
経費精算システムの比較表
『ビズバンスJTB経費精算』『楽楽精算』『freee経費精算』『マネーフォワード クラウド経費』『ジョブカン経費精算』の初期導入費用や月額利用料、主な機能は以下のとおりです。
▼経費精算システムの比較表
サービス名 |
初期導入費用 |
月額利用料 |
主な機能 |
ビズバンスJTB経費精算 |
300,000円〜(税抜き) |
35,000円〜(税抜き) |
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楽楽精算 |
100,000円(税抜き) |
30,000円~(税抜き) |
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freee経費精算 |
無料 |
【年払いプラン】
月額7,500円(年額90,000円)+従量課金(※1)
月額650円/人(※2)
【月払いプラン】
月額10,000円(年額120,000円)+従量課金(※1)
月額650円/人(※2)
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マネーフォワード クラウド経費 |
無料 |
【50名以下の方】
・年払い
2,480円/月〜(一括支払 29,760円〜)
・月払い
3,980円/月〜
【51名以上の方】
要問い合わせ
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ジョブカン経費精算 |
無料 |
【中・小規模の企業さま】
1ユーザあたり 400円/月
【大規模(500名目安)の企業さま】
要問い合わせ
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※1・・・経費精算・各種申請の申請・承認を当⽉⾏ったIDが課⾦対象となります。
※2・・・⽉間10IDの場合の月額費用。50IDの場合は1IDあたり月額600円、100IDの場合は1IDあたり月額550円となります。
1.ビズバンスJTB経費精算
『ビズバンスJTB経費精算』は、日常的な経費精算業務の効率化を支援するクラウド型システムです。出張予約、交通系ICカード、法人カード決済、購買サイトの利用データなどを精算書に自動で取り込み、交通費・出張費・交際費・物品購入といった申請の手間やチェック作業を軽減します。連携されるデータは改ざんできない形式のため、不正防止にもつながります。
また、JTBの出張予約システムとのシングルサインオン連携により、出張申請から予約までのプロセスを一元管理することが可能です。人事マスタとの連携もでき、社員の異動や入社時・退社時の対応も効率化されます。
さらに、申請内容に応じて自動で勘定科目を割り当てる機能や、仕訳データの作成・会計システムとの連携機能も備えているため、経理担当者の作業負担を軽減することが可能です。
2.楽楽精算
『楽楽精算』は、交通費・出張旅費・交際費など、経費に関わるさまざまな処理を一元化できるクラウド型経費精算システムです。柔軟なワークフロー設計と高いカスタマイズ性を備えており、既存の承認フローやフォーマットを活かしたままスムーズに電子化できます。
申請項目や画面レイアウトの変更も自由度が高く、導入時には専任サポートが他社事例も参考にしながら設定を支援してくれるため、初めて利用する方も安心です。
3.freee経費精算
『freee経費精算』は、AI技術を活用して経費申請・承認・経理処理を自動化し、業務負担を軽減するクラウド型経費精算システムです。スマホアプリを使えば、領収書の自動読み取りやICカードによる交通費精算が可能で、申請作業は最短1.5秒で完了します。
さらに、AIによる高精度OCR(※)や証憑の重複チェック機能も備えており、正確かつ効率的な運用が可能です。
※OCRとは、画像やスキャンデータなどに写っている文字をコンピューターが読み取り、テキストデータに変換する技術のこと。
4.マネーフォワード クラウド経費
『マネーフォワード クラウド経費』は、申請・承認・精算までを効率化するクラウド型経費精算システムです。交通系ICカードやクレジットカードと連携することで利用明細が自動で取り込まれ、ユーザーは経費として申請したい明細を選ぶだけで申請書を作成できます。
また、スマートフォンで撮影した領収書はOCRやオペレーター入力で自動データ化されるため、手入力の手間とミスを軽減することが可能です。
さらに、重複申請を防ぐアラート機能や、インターネットバンキングとの連携によるワンクリック振込などの機能により、経理業務全体の負担を軽減できます。
5.ジョブカン経費精算
『ジョブカン経費精算』は、申請・承認・経理処理をクラウド上で一括管理できる経費精算システムです。ICカード連携や乗換案内機能により入力作業を簡素化し、ミスや手間を削減します。
また、領収書はスマートフォンで撮影してそのまま申請できるため、外出先やテレワーク中でもスムーズに対応が可能です。承認依頼はメールやチャットで通知されるため、対応漏れの心配もありません。
仕訳や振込データも自動で作成されるため、経理業務の負担を軽減できます。
▽許諾について
※本記事の掲載内容は、公式サイトの情報を基にしています。
※記載内容やサービス名の表記は個別に許諾を得たものではありません。
万が一、間違いや問題がある場合は可能な限り迅速に修正いたしますので、問い合わせフォームよりご連絡ください。
まとめ
この記事では、経費精算システムの概要や導入メリット、比較ポイントについて以下の内容を解説しました。
- 経費精算システムは、経費の申請・承認・精算の業務をデジタルで効率化するシステム
- 経費処理を自動化することで、申請ミスの削減や承認スピードの向上、経理部門の負担軽減が図れる
- 経費精算システムを比較する際のチェックポイントは、主に「自社が求める機能が備わっているか」「自社に見合ったコストで導入できるか」「電子帳簿保存法に対応しているか」「自社の運用に合っているか」「ペーパーレスに対応しているか」の5つ
従来の経費精算業務は、手入力や紙ベースでの運用が中心で、申請ミスや承認遅延、経理部門の負担が発生しやすいものでした。しかし、経費精算システムを導入することで、申請から承認・精算までのプロセスを自動化・効率化でき、業務のスピードと正確性が向上します。
今回ご紹介した比較ポイントを参考に、自社に最適なツールを導入してみてください。
『株式会社JTBビジネストラベルソリューションズ』では、ビズバンスJTB経費精算を提供し、企業の経費精算業務を効率的に支援しています。交通系ICカードやクレジットカードとの連携により、明細データの自動取得や仕訳の自動化が可能で、手入力の手間やミスを削減できます。経費処理の負担軽減をお考えの企業さまは、ぜひ導入をご検討ください。