IT導入補助金2021の 「感染リスク型ビジネス枠」申請の流れ
経理業務に役立つシステムはこちら
「IT導入補助金」は、自社の課題やニーズに合ったITツールを導入するのを支援する補助金です。2021年度の公募では、「感染リスク型ビジネス枠」が盛り込まれ、より現在の課題に合った補助金を受けられます。
そこで今回は、感染リスク型ビジネス枠の内容と共に、申請の流れについてもご紹介します。
>「IT導入補助金2021」が公募開始!新設された内容とは?
令和5年税制改正における変更点をおさらいしながら、事例を交えた対応方法を税理士が解説します。
「IT導入補助金2021」とは
IT導入補助金とは、経済産業省主導の中小企業・小規模事業者等に向けた補助金制度で、自社の課題やニーズに合った ITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものです。
今年度はIT導入補助金2021として2021年4月7日より募集がかけられており、2021年11月17日に締め切られる4次締切分、さらに2021年12月中に締切予定の5次締切分までの告知がされているため、まだ申請の余地があります。
IT導入補助金2021では、「通常枠(A・B類型)」と「低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)」の2種類が用意されています。従来の通常枠に加えて、ポストコロナに向けた取り組みを支援するために、補助率を引き上げて優先的に支援する特別枠が特徴的です。
「IT導入補助金2021」の感染リスク型ビジネス枠とは
では、IT導入補助金2021の特徴である、特別枠の低感染リスク型ビジネス枠とはどのような内容なのか、詳しく見ていきましょう。
低感染リスク型ビジネス枠は、IT導入補助金2021の公式サイトでは、こう定義づけられています。
「新型コロナウイルス感染症の流行が継続している中、ポストコロナの状況に対応したビジネスモデルへの転換に向けて、労働生産性向上とともに感染リスクにつながる業務上での対人接触の機会を低減するような業務形態の非対面化に取り組む中小企業・小規模企業者等に対して、通常枠よりも補助率を引き上げて優先的に支援するものです。」
このうち、「労働生産性向上とともに感染リスクにつながる業務上での対人接触の機会を低減するような業務形態の非対面化」とは、例えば従来の経費精算フローにおいて、経費精算の自動化を検討したいといった場合に、クラウド型の経費精算ツールを導入することで、非対面化と効率化の両方を実現するといったことです。
通常枠と異なる点として、非対面化ツールの導入が必須となる点、D類型に関してはクラウド対応されている必要がある点などがあります。
非対面化ツールとは
非対面化ツールとは、事業所以外の遠隔地から業務を行うテレワーク環境の整備をはじめ、人と人との接触の機会を減らしたり、遠隔でのサービス提供が可能なビジネスモデルへ転換(業務形態の非対面化)し、労働生産性の向上を目的としたITツールを指します。
類型
低感染リスク型ビジネス枠には、「低感染リスク型ビジネス類型」と「テレワーク対応類型」の大きく2つの補助対象事業があります。
そして、低感染リスク型ビジネス類型にはC-1類型と、C-2類型があり、テレワーク対応類型はD類型があります。それぞれ補助下限、上限額が異なります。
いずれも補助率は2/3以内で、ソフトウェア費、 導入関連費、ハードウェアレンタル費を補助対象とします。
補助金対象事業 |
申請類型 |
補助下限額・
上限額
|
補助率 |
補助対象経費
区分
|
低感染リスク型 |
C-1類型 |
30万円~300万円未満 |
2/3以内 |
ソフトウェア費、 導入関連費、 ハードウェアレンタル費 |
C-2類型 |
300万円~450万円以下 |
|||
テレワーク対応類型 |
D類型 |
30万円~150万円以下 |
出典:サービス等生産性向上IT導入支援事業事務局「令和2年度第三次補正サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金 交付規程(低感染リスク型ビジネス枠)
(別表)1.補助対象事業、申請類型、補助上限額・下限額、補助率及び補助対象経費区分」
https://www.it-hojo.jp/r02/doc/pdf/r2_application_rules_tokubetsuwaku.pdf
通常枠との違い
通常枠との違いは、低感染リスク型ビジネス枠は先述の通り、非対面化やクラウド化を伴うITツールが対象である点や、ハードウェアレンタル費等も対象になる点、補助率が通常枠は1/2以内のところ、2/3以内である点などが挙げられます。
感染リスク型ビジネス枠の申請の流れ
もし、感染リスク型ビジネス枠の申請を行いたい場合には、自社が補助対象事業者であることを確認した上で、次の流れで申請を行います。
1.導入したいITツールやIT導入支援事業者を決定
2.「gBizIDプライム」を取得
3.申請マイページの開設・補助事業者情報の入力
4.IT導入支援事業者がIT事業者ポータルで情報を入力後、申請マイページにてITツール情報や事業計画の確認、宣誓
5.補助事業者から事務局へ交付申請提出
基本的に、IT導入支援事業者とともに補助申請を進めていきます。申請完了後、審査に通り、交付が決定したら、ITツールを実際に導入します。そして申請した補助事業を実施し、事業実績報告を行います。
その後、補助金額が確定し、補助金交付手続きを行うことで、補助金が交付されます。
また、対象のITツールは限られています。「IT導入支援事業者・ITツール検索」で検索できる、低感染リスク型ビジネス枠の対象ツールを選びましょう。
まとめ
IT導入補助金2021の感染リスク型ビジネス枠についてご紹介してきました。
経費精算システムがクラウド化されていないために、紙・ハンコの運用やデータにアクセスするためだけに出社するケースもまだ多く見られるようです。経費精算の非対面化やクラウド化を検討している場合には、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
IT導入補助金2021の対象製品「J’sNAVI NEO」は、JTBが開発した経費精算システム。経費、交通費や交際費などの経費精算はもちろん、出張時の割引チケット購入によるコスト削減と立替業務の削減による効率化も実現できます。
令和5年税制改正における変更点をおさらいしながら、事例を交えた対応方法を税理士が解説します。