経理・財務のテレワーク化で 「ハンコ」文化を脱却するには?
コロナ禍によりテレワークを推進する企業にとって、特に経理財務部門において、経営者やCFO(最高財務責任者)及び経理担当者は、頭を悩ませているケースが多いといいます。特に問題視されているのが、ハンコ文化です。テレワーク化の際、特にハンコが必要な業務についてデジタル化したいと考えているケースも多いでしょう。
そこで今回は、経理・財務業務におけるテレワーク化で、ハンコ文化を脱却するための方法を考察します。
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経理のテレワーク化を阻むハンコ文化という課題
一般社団法人日本CFO協会と一般社団法人日本CHRO協会が2020年6月に実施した、コロナ禍の経理・財務部門、人事部門における調査の結果によると、「5割以上が出社」した企業が48%にも上っており、出社の要因として「紙の書類(請求書、契約書等)の確認や押印」が56%、「銀行提出書類への押印や郵送・FAX対応」が40%、「内部決裁書類への押印」が 33%となりました。
特に、非常事態宣言中に紙の書類で苦労したことについては、「請求書が紙で送付されてくる」が60%、「押印作業」が46%となりました。
この調査の結果からは、経理部門のテレワーク化を大きく阻むものは、「紙とハンコ」文化ということがいえます。
ハンコ書類のデジタル化をする際の課題
それなら、紙とハンコ文化を脱却し、今すぐデジタル化をすればいいと考えることでしょう。しかし、そう簡単には実現しない課題があります。例えば、次のような課題です。
「商習慣」は急にはやめられない
契約書への押印については、法的に必要なのではないかという誤解がありました。しかし2020年6月19日に内閣府・法務省・経済産業省から「押印についてのQ&A」という文書が公表されたこともあり、請求書への押印は商習慣であり、法律違反にはならない事実が広く認識されました。つまり重要なのは、その商習慣をいかにやめるかというところにあります。
法的に効力がないからといってすぐにやめられるかといえばそうではなく、社内全体はもちろん、取引先などの了承を得る必要があります。
電子化への移行コストの問題
押印をなくし、電子化する場合、これまでの書面の処理とは異なる仕組みを導入する必要があるため、移行コストがかかります。取引先が関係する場合に、自社はよくても取引先がコストをかけられないというケースもあります。
電子書類のタイムスタンプの必要性
電子化された書類は、データであることから改ざんされる恐れがあるため、タイムスタンプを付与することも考えなければなりません。e-文書法や電子帳簿保存法に対応するためにはその規定に沿う必要があります。
経理業務の「紙とハンコ文化」を脱却するデジタル化施策
上記のように、ハンコ書類の電子化を目指し、「紙とハンコ文化」を脱却するためには、いくつもの課題を解決していくことが求められます。また電子化対応していくことは、一朝一夕ではかなわず、地道に取引先や社内の合意をとりながら進めていく必要があります。
もちろん、これらの対応は必要ですが、経理業務全体の電子化については、クラウド化することで、比較的容易に行うことが可能です。
会計システムや経費精算システムも、クラウド化をすれば、テレワークでも経理業務をスムーズに実施することができます。インターネットにつながる環境であればアクセスすることができるので、パソコン内にデータを保管する必要もなく、セキュリティ面でも安心です。
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まとめ
経理のテレワーク化を阻む大きな要因である紙とハンコ文化は、商習慣となっているケースが多く、急にはやめられません。その中でも、クラウド経費精算ソリューションを利用することで、ベースを作ることが可能となり、テレワークもスムーズにいきます。まずはベースを整えてから電子化に取り組んではいかがでしょうか。