ファイナンス分野を中心に、会計・税務、財務に関する専門性の高い
コンサルティングサービスを提供する東京共同会計事務所。
ファイナンス分野を中心に、会計・税務、財務に関する専門性の高いコンサルティングサービスを提供する東京共同会計事務所。同事務所は仕事柄、所員の出張が多く、経費精算やチケット手配などの事務処理に課題を抱えていた。また、それらの処理をExcel中心で行っていたため、経費精算も煩雑で担当者に大きな負担がかかっていたという。そこで業務プロセスの見直しに踏み切ることになった。同事務所がたどり着いた効率的な経費精算プロセスとは?
東京共同会計事務所は1993年の設立以来、ファイナンス分野を中心に、会計・税務、財務に関する専門性の高いコンサルティングサービスを提供してきた。
同事務所は、一般的な会計事務だけでなく、特別目的会社(SPC:Special Purpose Company)を活用した資産証券化のビジネスも業務の柱の1つである。これまでに、国内のパイオニアとして専門チームを組織化し、約7000社もの実績を積んできた。これらの業務のほか、特にM&A、地方再生、事業承継などのコンサルティングサービスやSPC案件において、全国への出張が多く、所員が各地を駆け巡ることは日常茶飯事であった。
「たとえば30名ほどのコンサルティングサービスの部門では、国内の出張が月平均で約20件、海外の長期出張も5件以上あります。またSPCファイナンス関連サービスの部門でも太陽光発電関連の案件を多く扱っているため、現地調査のための出張もあります」と語るのは、東京共同会計事務所の花村氏だ。
そのような状況で、特に大きな課題になっていたのが出張の経費精算だ。
これまで同事務所では、経費精算の処理をExcel中心に回していた。手作業で行うデータ入力では、ミスの発生や、増え続ける出張精算への対応に苦慮していたのだ。抜本的に経理・会計システムを刷新し、パッケージソフトを組み込んで、効率の良い経理精算を進めたいという思いがあったそうだ。
「経費精算から会計システムまでに余分な作業が年間で2500時間にも上っていました。Excelでの余分な業務が発生していたため、Excelの経費データを整えて、そのあとの会計システムにデータを打ち込むのに多くの時間と手間がかかっていたのです。上流でチェックした後は、会計システムへと一気通貫で流れるようにしたいと考えていました」(花村氏)
東京共同会計事務所
アドミニストレーション部
経理チーム チームリーダー 花村氏
もともと同事務所では会計システムにクラウド会計サービスを利用していた。これにも経費精算の機能は内蔵されていたのだが、その機能は、どちらかというと中小企業向けのサービスだった。数百名の人員を抱える同事務所では、規模・コスト・機能がマッチしなかったのだ。
そこで同事務所にとって最適な経費精算のツールを検討することになった。
具体的に、同事務所が新たな経費精算システムの検討を始めたのは2018年6月からだという。いくつもの要件を詰めながら、2018年11月、最終的に経費精算システムとして選定したのは「J’sNAVI NEO」であった。J’sNAVI NEOは、出張手配システムと出張経費管理システムを併せ持ち、出張の煩雑な手続きを自動化してくれるという大きな特徴があった。
「選定の決め手になったのは、出張時にチケット手配や支払いができ、会計システムにワンストップでつなげられる点でした。規模・機能・コスト面で、経費精算システムを4社ほど比較しましたが、チケット手配に対応していたのはJ’sNAVI NEOだけでした。これまでチケット手配は、それぞれの秘書が担当していたのですが、この業務を効率化していく必要があったことも選定理由の1つでした」(花村氏)
J’sNAVI NEOは、JTBの出張・チケット手配のノウハウを生かした経費精算・管理ソリューションとして、すでに500社以上、80万以上のユーザーが利用している。特に個別対応が多い面倒なチケット手配や経費精算手続きを効率化し、代金立て替えの負担も軽減できるメリットがあった。
システム申請と同時にオンラインチケットを手配でき、出張者の立て替えによる手間を解消できる
また、勘定科目の自動仕訳機能も魅力的だったという。所員が経費精算時に摘要項目を選択するだけで、勘定科目や税区分などを自動的に紐づけてくれるのだ。部門ごとの販売管理費や原価のコントロール、源泉税にともなう精算にも対応している。さらに会計システムに対して、仕訳データの自動連携が可能だ。経理担当部署としては、自動仕訳機能は業務改善のポイントの1つになった。
面倒な勘定科目の仕分けを自動化して、業務効率アップに貢献。
社員が精算時に摘要項目を選択するだけで、勘定科目や税区分などを自動的に紐づけてくれる
「総合振込の機能を使って、インターネットバンキングへの支払いが一括で行えるようになった点も、我々にとって大きなポイントでした。これまでは、すべて手入力でしたが、J’sNAVI NEOで最大100件まで、まとめて自動支払いに対応できるので大変便利でした」(花村氏)
J’sNAVI NEOの導入を決定した5カ月後の2019年4月には、花村氏が所属するアドミニストレーション部とシステム部から導入を開始し、コンサルティング部、フィナンシャルソリューション部(前出のSPCファイナンス関連部門の正式名称)、事業開発室などの各部門へ順次展開し、今夏に全部門への導入を完了したという。
導入の際には、従来までの業務処理プロセスが変わってしまうこともあり、それを所員に説明し、納得してもらうのに苦労したという。
花村氏は「導入にあたり、特にヘルプデスクのようなものを設けていなかったので、経理担当部署側ですべての問い合わせに対応することになってしまい大変でした。業務の特性上、部門ごとに支払い内容も異なっており、製品導入前の業務プロセスの変更にも難儀しました」と振り返る。
上流側でデータを入力したあとに、経理担当部署側で確認して、会計システム側にデータを流すためには、上流側で上長が承認をしなければならない。その承認が部門によっては統一されておらず、経理担当部署が代行することもあったそうだ。そこで、全社的に承認プロセスやフローの整合性を取って、統一しなければならなかったのだ。
「これまで経理担当部署側が代行していた承認業務を、フロント側の各部門に分散し、各人で行ってもらうことになりました。ですから単にJ’sNAVI NEOを導入すれば済む話でなく、事務所全体の業務プロセスを徐々に作り変えていく必要があったのです」(花村氏)
このように事務所内の統制を整えた後、J’sNAVI NEOが無事に稼働を始めた。稼働後は、主に近郊の交通費の精算を中心に、負担の大きかった出張精算、請求書支払い、チケット手配なども部分的に使い始めているという。
「これまでは、経理担当部署側では、手作業による二重作業がいくつか発生していましたが、業務プロセスが整備され、無駄な作業が減りました。肌感覚として、だいぶ効率的になったという実感があります。一方、コピー機能によって、請求書や交通費の精算などで同じ伝票を迅速に繰り返し処理できるため、現場部門でも評判が高まりました」(花村氏)
今後は、現場部門の協力を求めつつ、領収書など紙ベースの書類をなくし、ペーパレス化の実現を見据えていく方針だという。
J’sNAVI NEOは、改訂された電子帳簿保存法にも対応しており、スマートフォンやスキャナーで取り込んだ領収書や請求書へタイムスタンプを付与し、エビデンスのある経費精算の申請や、検索機能を利用した原本データとの突合なども容易に行える。
ほかにもチケット手配について本格的な活用を目指していく方針だ。このあたりは、JTBビジネストラベルソリューションズのサポートセンターに問合せながら進めていく予定だという。
またセキュリティ面では、取引の関係により重要書類を扱うため、厳重な対策を採っている。J’sNAVI NEOのデータも、一度暗号化してから社内外に流すという徹底ぶりだ。そのため事務所内のPDFデータの内容が把握できないといったことも起きていた。今後は利便性の観点からの「カイゼン」も視野に入れているそうだ。
花村氏は「J’sNAVI NEOを導入する際に、統制面から業務プロセスを見直すと、さらに全体の効率が上がると思います。そこで空いた時間を分析系などの業務にあてることで、より深いところで経営面への貢献ができるようになると思います」と期待する。
まだ同事務所では、J’sNAVI NEOの運用を始めてから日が浅いため、機能をフル活用できているわけではないというが、今後しっかりと機能を使い熟せるようになれば、さらに新しい世界が広がっていくだろう。
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